意識の境界に認識のすり合わせ

・・・そして以降は何事もなくタルタロスの中で一夜を過ごしたルークはミュウを伴ったジェイドの来訪を受けた後、イオン達のいる船室へと向かった。ちなみにその際には軽い自己紹介程度で話を終えた・・・こちらでのご主人様がジェイドである以上、あまりしつこくミュウに構いすぎても良くないとルークは内心寂しく思いながらも考えたために。

尚その際にはもうタルタロス内に兵士の姿が無いことに、タルタロスが普通に動いていることをルークは確認していた。






「おはようございます、イオン様」
「おはようございます・・・どうしたんですか、二人でここに来て?」
「いえ、少し時間もありますのでバチカルに向かった際の話し合いをしたいと思ったまでです」
「あぁ、そういうことですか。では話をしましょうか」
それで部屋に入りジェイドが用向きを告げると、イオンは笑顔で了承する。


















・・・そうしてイオン達と時間を過ごしていた二人。
‘ゴォンッ!’
「「「「っ!」」」」
そんな時にタルタロスがいきなり大きく振動をしたことに、四人は驚きを浮かべる。
(『来たか・・・!』)
(あぁ・・・後は・・・!)
「・・・すみません、イオン様。何やら緊急事態のようです。少し様子を確認しますが、もしもの時の為に脱出の用意だけはしておいてください・・・正直な所、あまりいい予感がしませんからね」
「・・・分かりました、行きましょう!」
ただルーク達は来ると分かっていた為にジェイドとイオンの真剣なやり取りを見届け、そうそうに部屋を後にしていくジェイドの後を二人と共に付いていく。






「・・・何だよ、こいつら・・・!」
「神託の盾・・・!」
それで通路に出た所で神託の盾が多数存在している光景に、ルークは驚きイオンも神託の盾がいることに絶句した様子を浮かべた。
「・・・ここまで素早く兵が入り込むとは、神託の盾もやるものですね・・・イオン様、すみませんが私が血路を開きます。イオン様は二人と共にタルタロスを脱出してください」
「は、はい・・・分かりました」
「・・・んなこと言ってられねぇかもしれねぇぞ・・・」
「えっ、あれは・・・!」
「・・・ここにいましたか、導師」
「ラルゴ・・・!」
その光景にジェイドは三人に早く出るようにと緊迫したように言うが、ルークが外に出る方の通路を指差しそこの奥から現れたラルゴにイオンは緊迫した面持ちを浮かべる。
「・・・すみません、ルーク。六神将であるラルゴが相手となると、周りに兵士がいることもあり私一人だけでは彼を撃退することは難しいかもしれません。この場を切り抜ける為にも少し協力してくれませんか?」
「いいけど、イオン達はどうする?」
「・・・私が隙を作りますから、イオン様とアニスはその間に奥へと走り抜けてください。ここで混戦状態になればタルタロスを襲った兵力から考え、いかに我々が頑張ろうと袋小路に追い詰められたネズミのようにジリ貧になりいずれ力尽きかねません」
「そうしないためにも僕達が二つに分かれて逃げた方がまだ兵力が分散されるから、その方がいいということですか・・・分かりました、そうします・・・」
それで四人がより集まり真剣にどうするかを小声でやり取りをしていき、イオンは最終的にジェイドの言ったことに頷く。無理をしててもここで人数の分散をしなければいずれどうしようもなくなるとの言葉に。









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