弾かれた者、時間の流れから消えた者

『その辺りは私も注意しながら地底に行って色々な方に会ったんですが、空も飛べずに弾幕も撃てないと話したのもそうですけど、私が人間ではないことに加えて地霊殿に行くのが目的だと話すと大体の皆さんがあまりいい顔をせずに引いて行ったんです。その辺りに関してをさとりやお燐に聞いてみたんですが、人間なら食料に出来ると見れるけれど私はこの通り機械の体であることですし、地霊殿の関係者というのはやはり地底ではいいイメージが無いらしく・・・』
「あぁ、そんなとこにわざわざ行くような奴を相手にするのはどうかって見られてスルーされたって事か。でもその言い方だと誰とも話をしなかったって感じじゃ無かったんだろう?」
『えぇ。ヤマメやパルスィ達にも会いはしましたが、印象的だったのは鬼達が私の事を見て何かを言っているのを聞いたと勇儀が私の前に来たことですね』
「えっ!?勇儀さんが!?大丈夫だったんですか!?」
「落ち着きなよ早苗、無事じゃ無かったらここに帰ってなんか来れないだろ」
ロボはその理由についてを話していき神奈子が納得する中、勇儀と出てきた地底の鬼のまとめ役の存在と言える名前に早苗が慌てたことに苦笑気味にたしなめる。
『確かに大丈夫でした。と言っても地霊殿に何の用なのかについてを話すと、今度来る時は私の所に来てあんたらの冒険の話をしろと言われましたよ』
「・・・それ、大丈夫なの?私達もあんまり勇儀の事は知らないけど、要はそれってロボ達の話を酒の肴にしようってことで、気に入らなかったりならいっちょ私とやってみるかいって殴りかかってくるんじゃない?」
『その時はその時ですし、私もやられっぱなしでいるつもりはありません。例え相手が格上だろうと立ち向かわせていただきますよ』
「それが鬼、それも星熊童子相手にでもか・・・違う星の出身でそうだって知らなくても、ロボの胆力には感嘆するよ」
ロボも平気だったと言いつつも返した言葉の中身に諏訪子が危険が後回しになっただけじゃと口にするが、恐れる事がない様子を見せる様に笑顔を浮かべる。
「やっぱりラヴォスがそれだけの相手だったというのもあったからだと思います・・・私もジャキさんの記憶を見てあんなものと戦えるなんて本当にすごいと思いましたからね・・・」
「・・・そう聞くと私達もその場にいたかったね・・・ラヴォスってのがどれだけの存在なのかってのを映像越しにでも見てみたかったよ」
「まぁ気持ちは分かるから、その代わりと言っちゃなんだけど次にロボが地底に行く時は私達も一緒に行こうよ。ジャキに会ってみるのもいいだろうし、その話で酒を飲むのもいいだろうしね」
「そうだな、そうしようか。たまにはいいだろう」
『私の話でお酒が進むならいいんですけどね』
「進みますよ!だってロボは守矢神社の一員なんですから!」
『・・・ありがとう、早苗』
そうして三人が話を進めて共に地底にという流れになりロボが軽く言葉をかけると、早苗が笑顔で根拠のない言葉と自信を口にする様子にそっと礼を述べた。自分が受け入れられているという事実を認識するよう・・・


















・・・そうしてジャキとロボは各々地霊殿に守矢神社に居所を作り、穏やかに暮らしていった。ただ時間が経ってからジャキが寿命を伸ばしてさとり達と長い時間を共にしたいと言い出し、種族としての魔法使いに変わり寿命を大幅に伸ばすのは大分先の話の余談である・・・



END









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