弾かれた者、時間の流れから消えた者

「誤解のないように言わせていただくなら、サラはもうジャキと出会うことはないというような考え方を持っていただろうからそう言ったのよ。そもそも夢喰いの存在をジャキが掴んだこと自体がかなりのイレギュラーな出来事であって、他の平行世界ではそこまでの事は無かった・・・そして個人的に考えるなら私の見てきた世界のサラは夢喰いとして魔王達を排除したサラではないと見たわ。そうでないと説明がつかないことも出てくるからね」
『・・・貴女がそう言うということはそうなのでしょうが、となればサラさんがジャキさんの事を思わなかったのは・・・もうサラさんはジャキさんに会うことはないと思っていたからということですか・・・セルジュという人達が生きる世界となった事やラヴォスを倒したことにより、もうジャキさんとは会えることはなくなってしまったからと・・・』
「そういうことですわ」
しかし紫がすぐに訂正といったように言葉にしていった中身に、ロボが理解出来たという様子に頷く姿に満足そうに頷き返す。ジャキを始めとした過去などを考えなかったのではなく、考える意味に理由がサラからしたら無くなったのだと。
「サラからしたなら自分の事をどうにかしたいという気持ちがほとんどを占めていただろう中でセルジュを中心として様々な思惑が絡み合っていき、そして最終的に彼女はラヴォスの呪縛から解放された・・・ここでジャキの事はと責め立てるのは今言ったような事から、それは酷だと言えるでしょう。むしろ下手にジャキの事を考えれば考えるほど、自分だけ助かった事に関しての意識に苛まれる事になったでしょうからね」
『確かにそうでしょうね・・・』
「えぇ。ですので古明地さとりに会いに行くのであれば、その辺りの事も話してきなさい。彼女が今どのようにジャキと接しているかは分かりませんが、彼に関してそのまま家族として接していくのかどうかに関してを決めてもらうにはこの話はちょうどいいものになるでしょう」
『・・・さとりさんならジャキさんを見捨てるような事はしないと思いますが・・・』
「サラについてを知った上で今のジャキがどうなっているか分からないから、一応という意味で話をしているのよ。もしも彼女が心変わりをしていたらという話をね」
『・・・分かりました。その辺りもさとりさんに聞きに行ってみようかと思います』
そしてだからこそ今までの事を踏まえた上での話をと紫が告げれば、ロボは真剣に頷いた。それらの話を自分でしに行くと。


















・・・そうして紫が帰った後にすぐ、ロボは一人で地底へと向かった。その際に誰か一人くらいは共に向かおうかと神奈子から言われたが、心を読めるさとり相手ではゆっくりと段階を踏んだ話し合いが出来ないだろうから自分一人で行くとロボは告げた。自分なら心は読まれないからと。

それで地底へと向かったロボは道中で様々な者達に絡まれることになるが、それでも無事に地霊殿へと辿り着き・・・入口辺りにいたお燐に挨拶をして中に入ると、そこにはさとりとジャキもそうだがこいしとお空の二人もいて穏やかそうに茶を飲んでいる姿を発見した。

そんなジャキの様子に驚いたロボであったが、そのロボの来訪に気付いたさとりが用向きについてを聞いてきた為・・・二人になれる状況で話をしたいと切り出し、その真剣な様子にさとりも頷いて自身の部屋に招いた上でロボの話を聞いていった。










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