「この幻想郷は忘れられた者や存在を引き付ける性質がある・・・その点では貴方達の存在が幻想郷に流れ着いたこと自体は別に問題ではないでしょうし、貴方のいた世界に影響を及ぼすことは無いでしょう。ここの結界から出ることさえ無ければ、という話ですが」
『ですが私がここから出てあの世界に再び戻って関わってしまえば、修正力が働いて私達にその力が作用されるだけならまだしも私達に関わった貴女方や幻想郷にも影響を及ぼす可能性があると・・・そういうことから戻ろうと思うなと、魔王さんが記憶を戻して夢喰いを追おうとしたなら殺してでも止める役割を担えと言っているのですね・・・』
「そういうことです」
更に理解をしたのならと話を進める紫にロボも言わんとする事は分かったと辛そうに返す様子に、また頷いて返す。
「夢喰いをどうにかしたいという気持ちは分からないとは言わないわ。けれど夢喰いをどうにか出来たとしても、その修正力の働き方次第では貴方達と関わった私達を始めとして幻想郷に外の世界の在り方が一気に変わる可能性が高い・・・というより修正力が働いたとして私がいなくなるだけでも、もうこの幻想郷が生まれなくなるのは目に見えているわ。そしてそうなればこの幻想郷に住まう者達の大体は外で隠れ住まうか消滅するかになり、ろくなことにならないでしょうね」
「そんなっ・・・じゃあ守矢神社に神奈子様に諏訪子様は・・・！？」
「幻想郷が無いのだから、そのまま外の世界で暮らす以外に無かったでしょうね」
「そんな・・・」
『・・・分かりました、紫さん。私はもしもの事があれば魔王さんを止めますし、夢喰いを追うような事はしません。そしてこの幻想郷からも出ないようにしたいと思います』
そして自身がいなくなった場合についても例に挙げると早苗が悲壮といった声と顔になり、ロボもとうとうと言ったように紫の言うことに従うだけでなく外にも行かないと返した。
「・・・いいのか、ロボ？」
『・・・確かに夢喰いというか、サラさんを放っておきたくはありません。ですが私達の都合だけで幻想郷や外の人々の存在に関わるような事をしたくないと思いましたので、諦めるべきだと考えたんです・・・』
ルークがその言葉に本気かと尋ねると、ロボも辛いという気持ちを我慢してでもとうなだれるよう考えを言葉にしていく。
「理解していただいて嬉しいですが、まだ心残りがあるのはその様子から伺えるから素直に頷いていただいた分の礼も兼ねて、少し私の方でもサラのその後についてを調べて貴方に教えるように致しますわ」
『・・・よろしいのですか、そのようなことをしてもらって？』
「私も気になったのもあるから構わないわ。特に夢喰いがこの幻想郷に来るような可能性があるかどうかを調べるのは必要と見たから、別に申し訳無いという気持ちで断る必要はないわよ」
『・・・分かりました。そう言うことならありがたく受け取ります』
ただそこで紫がアフターケアをすると言ったように話をすると、少し気を取り直したといったようにロボは礼を言った。心残りを多少でも解消してくれることに。
「待ってください・・・一応聞いておきますが、貴女はラヴォスの力を利用しようというような意図からそうしようというのでは無いのですか？」
「それだけは絶対に有り得ません。あれは誰かに利用されるような存在ではなく、むしろ誰かを利用しようとして隠れて幻想郷を食らい尽くしにかかるでしょう。そんなことをさせれば最早事は幻想郷だけに留まる程度の話ではなく、全平行世界までもを含めた物になります・・・ラヴォスが全ての世界を自身の餌にするという最低最悪の規模の話に」
「「「「っ・・・！」」」」
だが映姫はそこで信用ならないとばかりに厳しい視線と言葉を向けるが、真剣でいて絶対にないと否定と共に口にした可能性についてに周りの面々は一斉に息を呑んだ・・・全平行世界というあまりにも規模がでかすぎる話に。









.