弾かれた者、時間の流れから消えた者

・・・そうして女王との戦いが魔王達の勝利で決着がついた後、少しした後にラヴォスとの戦いの幕が上がった。ただその前哨戦というかクロノ達が過去に戦ってきた強敵達をトレースした戦い方をしてきたことに紫がロボに説明を求めると、後で分かることだがラヴォスが星の中で自分の進化の為に得た細胞であったり知識から自身の糧とし、何の因果かそれらを打ち破ってきた自分達にぶつけてきたのだと返ってきたことに紫は緊迫した空気を滲ませることになった。

それでそういった前哨戦を終えてラヴォス本体と戦うことになった魔王達だが、顔と見られる部分に穴が空いた事やまだ生きていることが分かったことからあくまで今倒したのは中身を守る殻の部分であって、ラヴォスの体内に入って本体を倒さなければ意味がないとなって一同は中に入っていった。

そしてそれで中に入って出てきた異形の怪物ながらもどこかしら人らしさを感じさせるラヴォスと魔王達は戦い、これを激戦の末に撃破した・・・かと思ったら、まだ先の姿があったこと及びそこで自分の進化の為に星の命を取り入れ喰らう巨大な寄生虫のような存在だと分かった時、話には聞いていたものの当事者のロボ以外の面々は唖然とした。ルークという異なる星の出身もいるがそんな自分達にとっても未知な生物がいたこともだが、本来のロボがいた未来ではラヴォスは必要な物を得たからとこの星を用済みだとばかりに壊滅させていき、またどこか別の星を喰らいに自身は飛び立っていった上で、辛うじて星に残った者達すら自身から産み出した子どものような存在の餌にしようとしていたのだと知り。

その上でロボや魔王達が気持ちを奮い立たせてラヴォスを倒すことを口にして、最後の決戦に挑んでいく光景を一同は固唾を飲んで見守っていき・・・最終的にラヴォスが死んだとなった瞬間を見届けた時には全員が程度の差はあれ、笑顔を浮かべた物だった。数多実力者いる幻想郷においても強大であって敵にしかなり得ない存在であるラヴォスを打ち倒したという事に。

しかしそうしてラヴォスを倒したことによりクロノ達以外は本来の時代に帰らねばならないということになったのだが、そこで先に魔王が元の時代に帰るゲートに入った為にロボは映像を止めるように言った後で自分がどういう会話をクロノ達としたかを告げた。ラヴォスを倒すことは出来たが、そのラヴォスにより荒廃した未来が無くなるということはつまり、自分が未来に戻ればその影響を受けて作られた自分はその未来共々消えてしまうだろうという会話を。






『・・・守矢神社で目覚めてからこの三日間、幻想郷の幻想入りの性質の事を聞いた時から考えていたんです。私がここにいる理由は本当はあったはずの未来が無くなったことにより、忘れられた存在になってしまったからではないのかと・・・』
「・・・確かに貴方の予想とラヴォスを倒した後の世界の行く末から照らし合わせればそうなったと考えるのが妥当でしょうが、東風谷早苗にはその事は話していなかったのですか?」
『それは、その・・・神奈子さんや諏訪子さんは幻想郷についてを説明してくれた上で話を聞いてくれたんですが、早苗は私がロボットだロボットだとはしゃいでてあまり話も聞いてなくて・・・』
「・・・てへ♪」
「「「「・・・」」」」
それでロボが自身が幻想入りしたのは不思議ではないと考えたと漏らす中身に映姫が納得しつつも早苗のリアクションが自分達と変わらないことについてを疑問に思うが、気まずげながらも正直に話を進めていくその中身を受けてまた早苗が誤魔化すようにあざとく舌を出す姿に、一同の表情はさとりが心を読むまでもなく「何してんだこいつ・・・」という呆れに満ちた物へと揃って変わっていた。別方向にはしゃぎすぎだろうと。










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