弾かれた者、時間の流れから消えた者
「・・・すみません、ロボ・・・クロノは一体何をしたんですか・・・?」
『・・・あの時クロノは自分の全てを使って何らかの攻撃をラヴォスに仕掛け、私達を逃がしたんです・・・あのままだったら全員死んでしまうと見て、自らが消滅することを覚悟の上で・・・』
「「「「っ・・・!」」」」
そこで映姫がうっすら予感しているというように確認を向けると、ロボが沈痛な気持ちを抱いていると分かる声でクロノの末路についてを語り、その中身に場の面々のほとんどが息を呑んだ。自らを犠牲にしてロボ達を逃がしたということに。
『・・・後で思い出せばという話になりますが、小さい頃の魔王さんは予知能力といった類いの物を持っていたという素振りがあったそうです。それで小さい頃の魔王さんに会った時に私達は言われたんです・・・貴方達の中の誰か一人が死ぬ、と・・・』
「・・・そして、実際にそうなってしまったと・・・」
『はい・・・この時私達は満身創痍で、誰も動くことが出来ませんでした・・・その中でクロノは自分がここで死んででもどうにかしなければならないと思ったのでしょうが、その後の私達はまだクロノは死んでいないと思ってなんとか探しだしたいと思っていたんです・・・しかしそんな私達にクロノの死は事実だと告げたのは、魔王さんでした』
「・・・ジャキが?」
そして魔王についても説明しつつさとりと会話をしていくロボだが、事実と突き付けたのが魔王との言葉に周囲も疑問の視線を向ける。
・・・それでロボの願いで再び映像に戻り魔王から告げられた話から一触即発になりかけるロボ達だったが、クロノを失ったと知らされたばかりの一同は戦う気になれずに戦うことを選ばず魔王から離れようとしていくのだが・・・そこで出てきたクロノを生き返らせることが出来る可能性があることについての話にもだが、魔王が付いていくと言い出したことに一同は驚きを浮かべた。まさかこんなことになるのかと。
しかし紫が魔王の胸中を考えればラヴォスを打倒する事を諦めてないなら、むしろ一番まともな考えはロボ達に協力することであると言うと確かにと周囲の面々は納得するしかなかった。ラヴォス打倒の為に動くには端から見ても独力ではどうしても限界が見えたから、同じような目的を持つロボ達と共に動くのが僅かながらにでも可能性を上げるには確かだと。
・・・それでそこからの流れに関しては長くなるからある程度省くことになるが、魔王の言うようにクロノを生き返らせるというか死ぬ直前から引っ張り出して助けることに成功し、打倒ラヴォスの為に動いていった。そしてその中でロボが砂漠化した土地を何年もかけて耕して緑化したエピソードに感動した部分もあったが、ロボというかロボ達の母とも言えるコンピューターや同タイプのロボットの話に一喜一憂する場面があった。
それでそうしてクロノ達の歩みを見てきたさとり達だが、様々に力をつけて準備を整えていってかつての海底神殿であり、黒の夢と呼ばれる所に突撃をしていって・・・ラヴォスより力を与えられ、人の理から外れた女王と最深部にて向き合う姿を見た。
「・・・預言者として潜り込んでいた時の態度から分かっていたことですが、ジャキはもう母親である女王には何の気持ちも抱いてないんですね・・・」
「そりゃそうだろうさ。自分や姉の不幸を招いたのは母親で、成長したって言っても実の子どもである自分のことに気付いた素振りも何にも見せることなく、ただラヴォスの力と存在に酔いしれてる・・・姉と違って肉親の情を持てないって判断して当然だったというか、むしろ殺してやることが息子としての役割だと思って言ってた可能性すらあったんじゃないかね」
「・・・それくらいにジャキからしたら、ラヴォスが憎かったということですか・・・」
・・・浄波瑠の鏡に映る人間としての姿を完全に捨て去った女王を前にして敵として葬るというよう迷わず言い切る魔王の姿に、さとりが漏らした言葉に小町が妥当と口にしていく中身に否定を返せなかった。それだけ魔王が恨み辛みを抱いていたということに。
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『・・・あの時クロノは自分の全てを使って何らかの攻撃をラヴォスに仕掛け、私達を逃がしたんです・・・あのままだったら全員死んでしまうと見て、自らが消滅することを覚悟の上で・・・』
「「「「っ・・・!」」」」
そこで映姫がうっすら予感しているというように確認を向けると、ロボが沈痛な気持ちを抱いていると分かる声でクロノの末路についてを語り、その中身に場の面々のほとんどが息を呑んだ。自らを犠牲にしてロボ達を逃がしたということに。
『・・・後で思い出せばという話になりますが、小さい頃の魔王さんは予知能力といった類いの物を持っていたという素振りがあったそうです。それで小さい頃の魔王さんに会った時に私達は言われたんです・・・貴方達の中の誰か一人が死ぬ、と・・・』
「・・・そして、実際にそうなってしまったと・・・」
『はい・・・この時私達は満身創痍で、誰も動くことが出来ませんでした・・・その中でクロノは自分がここで死んででもどうにかしなければならないと思ったのでしょうが、その後の私達はまだクロノは死んでいないと思ってなんとか探しだしたいと思っていたんです・・・しかしそんな私達にクロノの死は事実だと告げたのは、魔王さんでした』
「・・・ジャキが?」
そして魔王についても説明しつつさとりと会話をしていくロボだが、事実と突き付けたのが魔王との言葉に周囲も疑問の視線を向ける。
・・・それでロボの願いで再び映像に戻り魔王から告げられた話から一触即発になりかけるロボ達だったが、クロノを失ったと知らされたばかりの一同は戦う気になれずに戦うことを選ばず魔王から離れようとしていくのだが・・・そこで出てきたクロノを生き返らせることが出来る可能性があることについての話にもだが、魔王が付いていくと言い出したことに一同は驚きを浮かべた。まさかこんなことになるのかと。
しかし紫が魔王の胸中を考えればラヴォスを打倒する事を諦めてないなら、むしろ一番まともな考えはロボ達に協力することであると言うと確かにと周囲の面々は納得するしかなかった。ラヴォス打倒の為に動くには端から見ても独力ではどうしても限界が見えたから、同じような目的を持つロボ達と共に動くのが僅かながらにでも可能性を上げるには確かだと。
・・・それでそこからの流れに関しては長くなるからある程度省くことになるが、魔王の言うようにクロノを生き返らせるというか死ぬ直前から引っ張り出して助けることに成功し、打倒ラヴォスの為に動いていった。そしてその中でロボが砂漠化した土地を何年もかけて耕して緑化したエピソードに感動した部分もあったが、ロボというかロボ達の母とも言えるコンピューターや同タイプのロボットの話に一喜一憂する場面があった。
それでそうしてクロノ達の歩みを見てきたさとり達だが、様々に力をつけて準備を整えていってかつての海底神殿であり、黒の夢と呼ばれる所に突撃をしていって・・・ラヴォスより力を与えられ、人の理から外れた女王と最深部にて向き合う姿を見た。
「・・・預言者として潜り込んでいた時の態度から分かっていたことですが、ジャキはもう母親である女王には何の気持ちも抱いてないんですね・・・」
「そりゃそうだろうさ。自分や姉の不幸を招いたのは母親で、成長したって言っても実の子どもである自分のことに気付いた素振りも何にも見せることなく、ただラヴォスの力と存在に酔いしれてる・・・姉と違って肉親の情を持てないって判断して当然だったというか、むしろ殺してやることが息子としての役割だと思って言ってた可能性すらあったんじゃないかね」
「・・・それくらいにジャキからしたら、ラヴォスが憎かったということですか・・・」
・・・浄波瑠の鏡に映る人間としての姿を完全に捨て去った女王を前にして敵として葬るというよう迷わず言い切る魔王の姿に、さとりが漏らした言葉に小町が妥当と口にしていく中身に否定を返せなかった。それだけ魔王が恨み辛みを抱いていたということに。
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