焔の危機にいかに動いていくか

「・・・さぁ、真面目な話はこのくらいにしてそろそろ朝食の時間にしましょう。今日からまたルークがいるのだから、妖夢もちゃんとご飯を食べてまた訓練に備えておかないといけないわよ?」
「はい!」
それで幽々子が一転して笑顔を浮かべて朝食をと口にしたことに、妖夢は笑顔を浮かべて頷きルークもまた笑顔を浮かべた。妖夢は思い込みやすくはあるが、人の話を受け入れて立ち直る事の出来る子でもあると知っている為に。




















・・・そうして朝食を取り終えた三人だが、妖夢は訓練の前に庭師としての仕事をしなければいけない為に庭の方へと向かった。それで二人はそんな妖夢の様子を見ようと縁側に向かい、並んで腰をかけた。
「・・・こうしていると、改めて感じるわ・・・貴方が側にいてくれるという喜びを・・・」
「それは俺もだけど、紫から聞いてはいたけど本当に待っててくれたんだな幽々子・・・」
「えぇ、当然よ。紫から聞いてるでしょうけど他の幻想郷の私はどうであって誰か別の殿方との出会いがあるかは分からないけど、この私が共にいたいと思える殿方は貴方だけよ・・・ルーク」
「・・・ありがとう幽々子、こんな俺の為にそこまで言ってくれて・・・」
「フフ、本当の事を言っただけよ。ただ私から言うだけじゃなく、貴方からもどう思っているのか聞かせてほしいわ」
「あぁ・・・俺も幽々子と一緒にいたいよ。周りが許す限り、そして幽々子が俺といたいって思ってくれるならさ」
「そう言ってくれて嬉しいわ・・・けど言葉だけじゃなく、行動でも示してほしいのだけれど、ね・・・」
そうして二人はゆっくりと会話を交わしていって互いに共にいたいという話になり、幽々子が微笑を浮かべながらも顔を向けて目を閉じたことに、ルークも目を閉じ・・・深く口付けをした。そして数秒後にルークは唇を離す。
「・・・フフ、いつも私からしていたけれどこうして貴方から深く口付けをしてくれたのは初めてなんじゃないかしら?」
「あぁ・・・幽々子の気持ちを疑うんじゃなく、何処かで俺なんかが幽々子に釣り合うはずがないって思っていたんだ。そして俺が幽々子を求めていいのかっていう気持ちもあった・・・ただ今更になるかもしれないしそうしてほしいって示されたって形になったけれど、だからこそ自分が行かなきゃって思ったんだよ。ここで引いちゃ俺自身の為にもだけど、幽々子の為にもいけないってな」
「そういうように考えてくれて嬉しいわ・・・ねぇ、このまま部屋に行かない?もう夜まで待てないわ」
「・・・それは流石に駄目だって。今気付いたけど、妖夢こっち見てて顔赤くしてるし・・・」
「あら、見ていたのね」
幽々子はその余韻に浸るように嬉しそうな声を漏らしてルークも笑顔で返していくのだが、ストレートに誘う言葉を口にした幽々子に対してルークの言葉と視線の先にいた妖夢が明らかに動きを止めて二人の方を見ていたことに、幽々子は大したことないというように笑う。
「・・・ねぇ、もういっそのこと夜の経験を妖夢につけてあげたらどう?あの子が一々あぁなるのも問題なのをどうにか出来るし、貴方も私も妖夢を好きに出来て得しかないわよ?」
「それは駄目だって、本当に・・・」
そして更にまたとんでもないことを笑顔で勧めてくる幽々子に、ルークはうなだれながら首を横に振った。先程までの真剣でいて甘い空気が一気に霧散した事もあって・・・


















・・・ルークの問題に際し、行動を起こした幽々子達によりルークの問題は解決された。そして以降もルークは白玉楼に住んで幽々子の隣に立っているだろう。他の幻想郷にないこの幻想郷では・・・



END









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