焔の危機にいかに動いていくか

・・・それで話が決まった所で早速そのオールドラントに行く、かと思いきや三日ほど時間を空けるからそれまでゆっくり過ごすようにと紫は言ってスキマの中に消えていった。意味深な笑みを幽々子に向け、幽々子もまた同じような笑みを消えていく紫に対して浮かべる形でだ。






「・・・妖夢~。ご飯が終わったら私の部屋には混ざるつもりがないならこの三日の夜は来ない方がいいわよ~」
「っ!・・・わ、分かりました・・・」
それで紫がいなくなったのを見届けた後に幽々子が柔らかな笑みを妖夢に向けながらとんでもないことを言い出したことに、たまらず顔を赤くしながら頷くしか出来なかった。
「幽々子・・・露骨過ぎるから妖夢にそう言うの止めろって言ったろ・・・」
「あら、これでも気を使ってるのよ?ルークが行ったならどれだけ時間がかかるか分からないから、せめて夜くらいはずっと触れ合っていたいし熱い時間を過ごしたいのだから、見たくないなら見ないように言っただけよ」
「いや、直接的な事を言い過ぎだって・・・妖夢そういうこと苦手なんだし・・・」
「本当にありがとう、ルーク・・・ルークまで幽々子様に乗られてたら、本当に私もどうなってたか・・・」
ルークはそんな幽々子に脱力気味に制止をかけるが、暖簾に腕押しといったような態度に妖夢共々より一層脱力する。恥ずかしげな様子もなく性事情を明かしていく幽々子にいつまでも妖夢が慣れないからこそ、こういったことが日常光景の為に。


















・・・そうして三日という時間はすぐに経ち、白玉楼に紫が訪れた。



「・・・どうだったかしら、この三日は?」
「えぇ、出来る限りの事はしたわ」
「っ・・・」
それで三人の前に現れた紫の問い掛けに幽々子が笑顔で簡潔に答えるが、妖夢はその中身が分かるためにたまらず顔を赤くする。
「あ~・・・そこら辺掘り下げると妖夢が辛いだろうし、長く話すとそれだけ帰る時間が遅れるだろうからもう行こう紫」
「そうね・・・じゃあスキマの中に入って」
ルークはすぐさまそこで話を深く掘らせないようにと出発を口にし、紫も確かにと自分の横にスキマを開く。
「待って、ルーク・・・ん」
「・・・んっ・・・」
「っ・・・!」
そうしてスキマに向かい歩こうとした時に幽々子が制止をかけると共に目を閉じ唇を前に出したことに、ルークは何も言わずに目を閉じながら幽々子の体を抱いて口付けを深く交わし、妖夢はその不意討ちの光景にまた顔を赤くした。
「・・・ん・・・早く帰ってきてほしいとは思っているけれど、貴方が無事に体を手に入れて戻れるまで私は待ってるわ。だからちゃんと帰ってきてね、ルーク」
「あぁ・・・じゃあ行ってくるよ、幽々子」
それで少しの間を空け唇を離した幽々子が花も恥じらうような笑顔を浮かべて送り出す言葉を向け、ルークもまた笑顔で返してスキマの方に向かっていった。再会の約束を交わす形で。






・・・それでルークがスキマに入り紫も中に入ってスキマを閉じると、場には幽々子と妖夢の二人だけになった。
「・・・やはり寂しいわ・・・行ったばかりだとは分かってはいるけれど、もうルークが買い物とか用事の時と違ってすぐには帰ってこれないと思うと・・・」
「幽々子様・・・」
だがそこで先程までの笑顔から一転して言葉通り寂しそうな表情を浮かべる幽々子に、妖夢は辛そうな表情を浮かべた。主の見たことのない表情と言葉にこもった想いが妖夢にも伝わってきた為に。









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