焔の危機にいかに動いていくか

「・・・貴方がそういった気持ちになるのは分かっていたわ。だから折衷案としてそこのルークの体をもらい受ける代わりに、そのオールドラントの未来を変えるというのはどうかしら?」
「へ?・・・いきなりどういうことだよ、紫・・・?」
だがそこでいきなり突拍子もないといった案を切り出す紫に、ルークはたまらず目を丸くする。
「貴方が気にしているのは自分が体だけを手に入れて、そのオールドラントを見捨てるようなことをするのが気が引けるからでしょう?なら貴方がそのオールドラントをどうにか出来たなら心残りも無くなると思うのだけれど」
「いやいやいや・・・簡単に言うけど、そう簡単にどうにか出来るものじゃ無いんじゃないのか?話によると師匠の性格が変わってるのもそうだけど、ティア達もかなり違ってるって話だし・・・特にもし俺がどうにか頑張ろうとしても、ティアが離れるとかってなったらかなり厳しくなるのが見えるから、あんまりうまくいかせる自信もないし、かといってそれで駄目だからって逃げたくもないんだよな・・・」
「成程・・・まぁ貴方の性格ならそういったように言うのは想像は出来ていたから、一応この件に関して頷いてくれるなら協力者を付けられるようにする予定よ。共にヴァン達を倒すために同行してきた彼らの中から二人ほどね」
「二人・・・?」
「えぇ。でも貴方が頷くかもそうだけれど肝心なのは幽々子、貴女がルークがそうしてそのオールドラントをどうにか出来るまで待てるのか・・・よ」
紫はそんなルークに分かっているとばかりに懸念事項についてを話していくのだが、怪訝そうな表情を浮かべたルークを尻目に幽々子にどう思うのかと視線を向けて問い掛ける。ルークが長い時間理由があるとはいえ、離れる事を了承出来るかと。
「・・・確認をさせてもらうけれど、体を手に入れる事さえ出来ればルークはもう大丈夫なのかしら?」
「えぇ、それは大丈夫よ。そこのルークの体ともだけれど、魂と一つになれば死んでも魂は残ることになり亡霊としてこの白玉楼にいることが出来るようになるわ」
「そう・・・なら全てが終わるまで待つわ」
「あら・・・案外あっさりと答えるのね」
「それは確かにルークと離れる時間が長いのは嫌よ?・・・でもルークが納得出来るなら時間がかかるのは我慢くらいするし、何よりここで我慢しなかったらルークと永遠の別れとなるくらいだったら迷わず待つことを選ぶわ」
「そう・・・そういったように待てると言うなら、私から言うことは何もないわ」
対して幽々子は一つ質問をした後に迷わず待つことを選択すると笑顔で言い切る様子に、紫も呼応するように微笑で返す。
「・・・さぁ、後はルーク。貴方がどうするかについてを決める時よ」
「あ~・・・幽々子がそう言ってくれてるっていうのもだし紫がそこまでしてくれたんだからっていうのは分かるんだけれど、そこの俺の事を何も言わずに乗っ取るだけみたいなのは流石にさ・・・」
「その事に関しては私もそのルークと話して説得はするわ。と言ってもその時点でそちらのルークはその後に待ち受ける未来を知ったなら、自分に待ち受ける未来もそうだし自分だけではどうしようもないと考えるでしょうから、その辺りも含めて説得するわよ」
「・・・もしかして紫、どうあってもそこの俺を説得するつもりだってのもそうだし、俺にもそうせざるを得ない状況に誘導したか・・・?」
「フフ、それは貴方の想像に任せるわ」
それで最後とばかりにルークに視線を向けてどうするかと問い掛けるとせめてと言うように話をしたいと言うが、手伝いをすると言いつつもそこでどうにか頑張らないといけないというように返されたことに、たまらず胡散臭げな目と声を向けるものの全く紫は気にした様子もない微笑を浮かべた。これが紫の本質と言わんばかりの食えない笑みを。









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