焔の危機にいかに動いていくか

「紫の話だともう少し時間を使えば貴方の体をどうにか出来る目処は立っているらしいわ。そしてそれがうまくいけば貴方の体は消えずに存在出来るようになるとのことよ」
「・・・本当、なのか・・・そんなことが・・・」
幽々子がそんな様子に嘘ではないと返すが、未だに信じられないといった様子のルークに・・・幽々子は近付いて膝を立て、正面からそっと体を抱き締める。
「・・・貴方が自分の体の事を言い出さなかった理由は分かるわ。今言ったように私達にその事を言って心配をかけたくないって思ったのもあるのでしょうけど、自分が消えるということを受け入れていたのだということからだと・・・けれど私はそんなことを認めたくなかったから紫にどうにかならないのかと言って、紫も後で言ったけれど貴方の事をどうにかしたいと思ってくれたから動こうと思ったとの事よ。そして今事実を知った妖夢もだと思うけれど、貴方の心を読んださとりも同じような気持ちの筈よ」
「・・・そうですね。話をしている間にも心を読んでいましたが、申し訳無いという気持ちを持ちながらも自分が消滅することに関してを仕方ないものとして受け入れていました・・・そんな気持ちを読んでしまえば、どうにか助けたいという考えも浮かびますよ・・・」
「私もです・・・ルークにそんな形で消えてほしくないです・・・」
「皆・・・」
そのまま幽々子が優しく話し掛けつつも二人にも話を振ると、共に重くも助かってほしいという気持ちがこもった言葉を漏らす様子にルークもその気持ちを感じ取る。
「だからルーク・・・お願い、消えないで・・・私は貴方と共にいたいし、他の皆も同じように貴方に存在してほしいと思ってる・・・だから紫がどうにか出来るっていう手段を整えられたと言ったなら、それに従ってほしいの・・・」
「幽々子・・・分かったよ。どういった事を紫がしようとしているのかは分からないけど、その目処が立って俺がそれまで消えずにいられたらそうするようにするよ・・・」
「ルーク・・・」
そして自分がいかにルークに在ってほしいと思っているのか・・・懇願するように隠さず漏らしていく幽々子の声にルークも決意がついたというようにその体を抱き締め返し、幽々子は切なげに体を預けた。妖夢とさとりが何とも言い難いといった様子を見せていることなど気にも止めることなく・・・


















・・・それから少し時間が経ち、さとりから幻想入りしてきた人物を拾ったという報告をルーク達は受けた。その際にルークの事について目処を立てたという紫も来た為、その人物の為に時間を使うのだが・・・そこについては長くなるためにここでは割愛となる。

それでその人物について一段落したところで白玉楼にて、ルーク達は紫から目処についての話を聞いていった。


















「・・・平行世界・・・そんなところにまで行ったのか・・・」
「貴方の肉体に関してどうにかするなら、やはり完全同位体の体が必要だと思ったのよ。だからフォミクリー技術を使えるかどうかをまず確認しようとしてみたのだけれど、やはりもう音素の流れのないオールドラントでは相当に難しいと判断したからそこは断念したわ。それで残った可能性として挙がったのが時間の境界を弄って過去に戻るか、平行世界の境界を弄って平行世界のオールドラントを探すかのどちらかになったのだけれど・・・時間の境界を弄ることに関してだけはしたくなかったから、平行世界を探してきたのよ。そしてそれが間違っていなかったことに関しては今、古明地さとりの元にいる彼の事から改めて分かったわ」
・・・そうして紫から一連の流れについてを聞き終わったルークはたまらず眉を寄せるが、紫はそれが正解だと断定するように話す。さとりの元にいる人物の事もあってと。









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