焔の危機にいかに動いていくか

・・・ルークが白玉楼に正式に住むようになって二十年以上の時が過ぎた。最初は幽々子に妖夢の二人には歓迎はされていたが、紫に映姫といった面々には距離を置かれていたがそれでもしばらくしたなら二人も距離を縮めてくれた為に問題はなくなっていった。

ただそうして距離が縮まったのはいいのだが、数年程白玉楼で過ごしていたルークが自分の体が全く成長や変化をしなかった事を疑問に思った為、距離が以前より近くなった紫にどういうことかと聞いてみると、ルークの体が概念が形になったものだからだろうと返ってきた。確かに経験や記憶はその体には積み重なってはいるのだろうが、生も死もない以上体自体は成長もしないし老化もしない・・・つまりは病気であったり誰かの手にかかるようなことがなければ、不老のまま在り続ける事は出来るだろうと。

そういった答えを聞いたことに何とも言えないといった気持ちを最初こそは浮かべていたルークだったが、そこに幽々子が嬉しそうに後ろから抱き付いてきながら「歳を取らないまま在り続けられるならずっと愛し合えるじゃない?」・・・と言ってきた事に、たまらず顔を赤くしてそんな気持ちは霧散して消えることになった。紫にその事を聞かれていた恥ずかしさもあり。

・・・実はルークと幽々子は結婚はしてこそはいないが、実質上の夫婦というような見られ方を周りからされるようになっていった。そしてそれと共に、肉体関係も持っていた。ただその肉体関係に関してはルークから進んで結ぼうとした訳ではなく、幽々子がルークの心境の変化を目敏く見付けて逆にそこを突いたことから始まったのだ。

一応というか元のルークの生きていた年数は七年といったくらいで体こそは青年といっても差し支えない物ではあったが、精神的な成長はファブレから飛ばされて以降を含めてもまだ七年程度の経験では完全には大人になりきる程の成長は出来る物ではなかった。そしてその中には性に関する知識は全くと言っていい程に無かった。

ただ性的な知識に関して何故全くだったのかに関して言うなら、真剣に生きるか死ぬかの旅の中で生きるために必要なことをしなければならないのに性的な事など誰かが教える意味もなかったし、ルーク自身も性的な事をわざわざ知りたいというような気持ちも無かったから周りに聞かなかったのだ。やはりその辺りに関してはまだ体は青年と言えても、子どもだったということだろう。

だが白玉楼に来てから数年という時間が経つと共に空いた時間を様々に使う中、性的な事についても書物から勉強していくにつれてルークもそういったことに関して意識をしていくと共に・・・徐々に幽々子の事を意識するようになっていったのだ。これは幽々子がかなりの美女であることもそうだが、拒否をしたり対策をしたりしても何度も寝床に入り込んで来ることを意識した上で思い返すと・・・体としては青年であるからこそ、男の部分が反応せざるを得なくなっていたのだ。

だからこそルークはこれからは寝床に入り込んで来ないようにとそれまで以上に必死に幽々子を説得しようとしたわけだが、そこで見た目はともかく亡霊として存在してきた歴が長くて観察眼も長けている幽々子に察されたのだ・・・ルークが思春期に近いような物になっているというか、自身を男として女を見るような気持ちが芽生えているのだということに。

そして詳細は省くがそんな幽々子がルークに逃げ場のないように詰め寄っていき、自身から肉体関係になるような流れにしたことで二人は結ばれたのである・・・尚、事後の姿をたまたま幽々子を呼びに来た妖夢に見られて騒ぎになったのは余談だ。









.
2/21ページ
スキ