焔に触れ亡霊の姫は変わりゆく
「・・・話を続けるけれど、そういったようにルークを守る者なんて誰もいなかった。それどころかルークが立ち上がってきたことにこの姿であったことが、子どもを見るような物にはならなかった。例えその時に一緒にいた彼らも実は余裕が無かったということがあったと言ってもに、戦力が必要だったからと言っても・・・ルークをおもんばかる事などなく、自分達にも責任があることなんか考えることなんてなく」
「・・・彼らの責任、ですか・・・」
「えぇ。特にヴァンの妹であった彼女に関しては兄が何かを起こそうとしていたことを朧気ながらも知っていた筈なのに、兄としての顔を見せられ止められたかもしれないことを情からそうしないと希望を持って・・・結果として兄を止めることが出来ないばかりか、兄がやったことであるのに全てルークが悪いんだと言わんばかりに見た・・・ルークが逃避をしたいという気持ちから発した言葉であっても、さもそれが全てルークが何も考えずにやったものだとばかりに」
「・・・そしてそれは他の人達にも似たような部分があったと幽々子様は見ているんですね・・・」
「えぇ・・・もう起きてしまって終わってしまったことは変えようもない上、ルークは紫の言ったような形での体だから当人ではないというように言うことも出来るかもしれないけれど・・・それでもこうしてここにいるルークはその記憶を持って、こうして苦しんでいるの。自分が『レプリカルーク』ですらない存在だという重荷まで加わって、誰も触れなければそれを癒そうともしないままに・・・」
「っ・・・!」
幽々子はそんな妖夢の恥ずかしそうな様子についてを突くことなく話を続けていくのだが、そのルークがいかに辛い立場や気持ちがあるのか・・・それらを改めて聞いた妖夢はまた表情を辛そうに歪める中、幽々子はルークを抱き締めながら頬に口付け間近に顔を近付ける。切なそうな表情で。
「・・・私自身、ここまでの気持ちをルークに抱くなんて思っていなかったわ。けれど古明地さとりから全てを見た上で、四季様に全てを委ねたとしてルークを消滅させるなんて事になったと考えたなら・・・もう止まらなかったの。ここで私がどうにかしなければルークは完全にいなくなってしまい、誰もがルークから手を離してしまうという悲しみを再び味わわせることになってしまうのだと思うと・・・ね・・・」
「っ・・・そう、なんですか・・・」
そして幽々子がそのままに語る一連の流れからの自身の気持ちと考えに、妖夢もまた辛そうながら否定を返すことが出来なかった・・・話を聞いたならばこそ幽々子の気持ちが分かると思ったと共に、その逆を取るならばルークの存在を否定する事になると感じた為に。
「ただそれでもルークは自分がいてはいけない存在だというなら、自らが消えるつもりでいると私に言ったけれど・・・私はそんなことは認められないから、あぁ四季様に言ったの。どんなに言われようと私はルークの側にいようという気持ちを示そうとね」
「・・・幽々子様・・・」
「だから妖夢・・・貴女も私に協力しろとは言わないわ。でも出来ることなら邪魔だったり、ルークの存在の否定はしないでほしいの・・・そして私がこうしてルークを想うことも・・・」
「・・・分かり、ました・・・私もルークにそんな事になってほしくないですから、そんなことはしません・・・」
「ありがとう、妖夢・・・」
だからこそと自分が見放すつもりはないということに加えて願うような声を向ける幽々子に、妖夢も覚悟を決めたというように頷いたことにコクリと首を引いて感謝を告げた。ルークの為にも・・・そう二人の気持ちが通じあったことに。
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「・・・彼らの責任、ですか・・・」
「えぇ。特にヴァンの妹であった彼女に関しては兄が何かを起こそうとしていたことを朧気ながらも知っていた筈なのに、兄としての顔を見せられ止められたかもしれないことを情からそうしないと希望を持って・・・結果として兄を止めることが出来ないばかりか、兄がやったことであるのに全てルークが悪いんだと言わんばかりに見た・・・ルークが逃避をしたいという気持ちから発した言葉であっても、さもそれが全てルークが何も考えずにやったものだとばかりに」
「・・・そしてそれは他の人達にも似たような部分があったと幽々子様は見ているんですね・・・」
「えぇ・・・もう起きてしまって終わってしまったことは変えようもない上、ルークは紫の言ったような形での体だから当人ではないというように言うことも出来るかもしれないけれど・・・それでもこうしてここにいるルークはその記憶を持って、こうして苦しんでいるの。自分が『レプリカルーク』ですらない存在だという重荷まで加わって、誰も触れなければそれを癒そうともしないままに・・・」
「っ・・・!」
幽々子はそんな妖夢の恥ずかしそうな様子についてを突くことなく話を続けていくのだが、そのルークがいかに辛い立場や気持ちがあるのか・・・それらを改めて聞いた妖夢はまた表情を辛そうに歪める中、幽々子はルークを抱き締めながら頬に口付け間近に顔を近付ける。切なそうな表情で。
「・・・私自身、ここまでの気持ちをルークに抱くなんて思っていなかったわ。けれど古明地さとりから全てを見た上で、四季様に全てを委ねたとしてルークを消滅させるなんて事になったと考えたなら・・・もう止まらなかったの。ここで私がどうにかしなければルークは完全にいなくなってしまい、誰もがルークから手を離してしまうという悲しみを再び味わわせることになってしまうのだと思うと・・・ね・・・」
「っ・・・そう、なんですか・・・」
そして幽々子がそのままに語る一連の流れからの自身の気持ちと考えに、妖夢もまた辛そうながら否定を返すことが出来なかった・・・話を聞いたならばこそ幽々子の気持ちが分かると思ったと共に、その逆を取るならばルークの存在を否定する事になると感じた為に。
「ただそれでもルークは自分がいてはいけない存在だというなら、自らが消えるつもりでいると私に言ったけれど・・・私はそんなことは認められないから、あぁ四季様に言ったの。どんなに言われようと私はルークの側にいようという気持ちを示そうとね」
「・・・幽々子様・・・」
「だから妖夢・・・貴女も私に協力しろとは言わないわ。でも出来ることなら邪魔だったり、ルークの存在の否定はしないでほしいの・・・そして私がこうしてルークを想うことも・・・」
「・・・分かり、ました・・・私もルークにそんな事になってほしくないですから、そんなことはしません・・・」
「ありがとう、妖夢・・・」
だからこそと自分が見放すつもりはないということに加えて願うような声を向ける幽々子に、妖夢も覚悟を決めたというように頷いたことにコクリと首を引いて感謝を告げた。ルークの為にも・・・そう二人の気持ちが通じあったことに。
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