焔に触れ亡霊の姫は変わりゆく

「・・・八雲紫・・・そんなことが出来るのですか?」
「そう出来るからそう申し上げているのですわ。と言っても幻想郷や地球外から離れすぎることは予期せぬ事態に繋がりかねませんので、余程の時間があるか用事があるかでなければしようとは思いませんが」
「・・・ただ、彼の件に関しては貴女も事実を知りたいということからそうするということですか」
「そういうことですわ」
映姫はそんな中で確認を向け紫が返してきた言葉に、それだけルークの体について重要視しているのだと察する。幻想入りのケースの中でも前例のないルークの事を知ることが。
「ただ少しオールドラントを探す時間もそうですが、彼が何故あんな風にしか浄波瑠の鏡に映らなかったのかを推測するための時間も必要ですので、一週間程時間をくださいな。いくら私の能力でも知らない場所に向かうのは色々と時間が必要なのです」
「・・・その時にはこの場にいる面々をまた集めるようにしますか?」
「あら、映姫様も彼の事について興味がおありですか?」
「全くないと言うわけではありませんが、何より彼が死者だと断定出来たならこちらの領分になりますからね。ですからその時には私達もここに来ますよ」
「分かりましたわ。その時に話をするように致しましょう」
しかし時間はどうしても必要と紫が言うと映姫が閻魔として自分も知る義務があるからそこにいたいと返し、すぐに紫は了承を返す。
「・・・もしかして、私もその場に来なければいけないのですか?」
「あ~、確かに映姫様そう言ってたね」
「彼が嘘をつけるような人物ではないのは先程見ましたが、その時の話し合いの場で我々以外の視点からの声も欲しいですし、貴女の能力が何らかの役に立つかもしれませんからね。ですので当日は同席をお願いします」
「・・・分かりました、そういうことなら」
ただそこで微妙そうな表情を浮かべたさとりの言葉に小町が映姫に視線を向けると、同席を正式に頼んできた事に仕方無いというように頷き返した。一応立場上は映姫はさとりの上司でもあったために。


















・・・それで紫は早々と白玉楼を後にし、その後に映姫と小町も後にしていったがさとりに関しては折角だからと言うことから今日は白玉楼に泊まればいいと幽々子が言って押し通してきたことに、明日に小町が迎えに来ることを条件に仕方無く了承を返した。

それで二人が帰る時にルークと妖夢に何を話したのかの経緯を話した後で夕食を取ったのだが、さとりも来たということから酒を飲むことになった・・・完全に見た目こそ大人とは到底言えない小さな少女の見た目をしているさとりだが、見た目より遥かに長生きをしている存在など幻想郷にはゴロゴロいる上、総じてそういった存在達は一部の例外を除いて酒好きばかりである。

その為にさとりをもてなすという意味で幽々子は酒を出すことにしたのだが、その中で酒に関しては貴族の嗜みということからある程度飲めるようには飲めるルークではあったが、人よりザルな二人(妖夢はさとりをもてなすという役割を担っていた為、二人よりは飲んでいない)の飲みっぷりには敵わず一番最初に限界だと使っている部屋に戻っていった。









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