焔に触れ亡霊の姫は変わりゆく
「・・・どうも、お久しぶりです」
「えぇ、お久しぶりね。四季様」
白玉楼の門が開いたことで幽々子を代表とする形で三人は出迎えに向かい、固い口調で話し掛けてきた背が低い方の女性の言葉に幽々子は笑顔で応えつつもその名前を口にする。
「ルーク、あの方は閻魔である四季映姫様です。そしてその隣にいるのは小野塚小町さんで、死神です」
「固いねぇ、相変わらず妖夢は。それで・・・そっちの赤毛の男が今回の用なんだね?」
「えぇ、そうよ・・・私でも彼が生者なのか死者なのか分からなかったから、四季様にどうなのか判断してもらうために来ていただいたの」
「彼がそうなんですね・・・では早速ですが、調べてみましょうか」
それで妖夢が映姫の隣にいる小町についてをルークに紹介すると小町は興味深そうに顔を見ながら声を上げ、幽々子が肯定すると映姫はルークの前に立つ。
「えっと・・・調べるって言いましたけど、どうやって調べるんですか?」
「この浄波瑠の鏡を使います。この鏡なら貴方が生者なのか死者なのかを判断することもそうですし、貴方の歩みについても知ることが出来ます・・・なので少し止まっていてくださいね」
「あ、はい・・・」
ルークは戸惑いつつ映姫に何をと聞くと手元から鏡を取り出しながら制止を命じてきたことに、頷くしか出来ずにピシリと姿勢を糺す。
・・・それで数十秒間、映姫がルークに鏡を向けた様子から誰もが声を漏らさずにその様子を見守るのだが、途端に映姫は難しげに眉を寄せた。
「・・・どういうこと、ですか・・・彼の今までの歩みが、この白玉楼に来てから以降の様子しか映らない・・・!?」
「えっ、本当ですか映姫様!?」
「えっ・・・ど、どういうことなんだ・・・?」
そして出てきた不可解とする声にたまらず小町は映姫の側によるが、ルーク当人も訳が分からないと困惑した様子を見せる。
「・・・どうやらお困りのようですわね、映姫様?」
「うわっ!?な、なんだ・・・!?」
「っ、八雲紫・・・何故いきなりここに・・・!?」
そんな時に一同の横からスキマが開いてルークが驚きを浮かべる中、映姫は瞬時に警戒心を露にしながら現れた紫を見据える。
「そんなに警戒なさらないでくださいな。今日は単に幽々子の元に遊びに来ただけですわ・・・と言ってもそこの彼の事があったので私も様子を伺っていたのです。彼がどういった存在なのかについてを見るために」
「・・・それで、分かったのかしら?紫」
「正直な所を言うならもう少し材料が欲しい所ね・・・ですので四季様。そちらの彼女に貴女の使いだという形で地霊殿に行ってもらって、古明地さとりを連れてきていただけませんか?」
「古明地さとりを?」
紫はそんな映姫に怯むことなく扇子で口元を隠しながら用向きを告げていくと、幽々子がどうなのかと聞くと材料が欲しいからと古明地さとりという名が出てきた事に一同は眉を寄せる。
「えぇ。彼女の能力があれば彼の事についていくつか確信が得られそうなのです・・・何分私からしても彼は未知の領域の存在でして、単なる幻想入りと判断してはいけないと思いましたのでお願いしますわ」
「・・・仕方ありませんね。では小町、いつものような形で古明地さとりの元まで行ってきてください。来たくないと言ったなら今度は私自ら向かうと言ってくださいね」
「分かりました~。じゃちょっと時間はかかると思うんで、白玉楼の中で待っておいてください」
紫はその様子に構わず続けて呼ぶように頼む声を向け、映姫は不本意そうに小町に視線を向け是非とも連れてくるように強調すると、了承を返して小町はヒラヒラ手を振りながら白玉楼の外の方へと歩いていった。
.
「えぇ、お久しぶりね。四季様」
白玉楼の門が開いたことで幽々子を代表とする形で三人は出迎えに向かい、固い口調で話し掛けてきた背が低い方の女性の言葉に幽々子は笑顔で応えつつもその名前を口にする。
「ルーク、あの方は閻魔である四季映姫様です。そしてその隣にいるのは小野塚小町さんで、死神です」
「固いねぇ、相変わらず妖夢は。それで・・・そっちの赤毛の男が今回の用なんだね?」
「えぇ、そうよ・・・私でも彼が生者なのか死者なのか分からなかったから、四季様にどうなのか判断してもらうために来ていただいたの」
「彼がそうなんですね・・・では早速ですが、調べてみましょうか」
それで妖夢が映姫の隣にいる小町についてをルークに紹介すると小町は興味深そうに顔を見ながら声を上げ、幽々子が肯定すると映姫はルークの前に立つ。
「えっと・・・調べるって言いましたけど、どうやって調べるんですか?」
「この浄波瑠の鏡を使います。この鏡なら貴方が生者なのか死者なのかを判断することもそうですし、貴方の歩みについても知ることが出来ます・・・なので少し止まっていてくださいね」
「あ、はい・・・」
ルークは戸惑いつつ映姫に何をと聞くと手元から鏡を取り出しながら制止を命じてきたことに、頷くしか出来ずにピシリと姿勢を糺す。
・・・それで数十秒間、映姫がルークに鏡を向けた様子から誰もが声を漏らさずにその様子を見守るのだが、途端に映姫は難しげに眉を寄せた。
「・・・どういうこと、ですか・・・彼の今までの歩みが、この白玉楼に来てから以降の様子しか映らない・・・!?」
「えっ、本当ですか映姫様!?」
「えっ・・・ど、どういうことなんだ・・・?」
そして出てきた不可解とする声にたまらず小町は映姫の側によるが、ルーク当人も訳が分からないと困惑した様子を見せる。
「・・・どうやらお困りのようですわね、映姫様?」
「うわっ!?な、なんだ・・・!?」
「っ、八雲紫・・・何故いきなりここに・・・!?」
そんな時に一同の横からスキマが開いてルークが驚きを浮かべる中、映姫は瞬時に警戒心を露にしながら現れた紫を見据える。
「そんなに警戒なさらないでくださいな。今日は単に幽々子の元に遊びに来ただけですわ・・・と言ってもそこの彼の事があったので私も様子を伺っていたのです。彼がどういった存在なのかについてを見るために」
「・・・それで、分かったのかしら?紫」
「正直な所を言うならもう少し材料が欲しい所ね・・・ですので四季様。そちらの彼女に貴女の使いだという形で地霊殿に行ってもらって、古明地さとりを連れてきていただけませんか?」
「古明地さとりを?」
紫はそんな映姫に怯むことなく扇子で口元を隠しながら用向きを告げていくと、幽々子がどうなのかと聞くと材料が欲しいからと古明地さとりという名が出てきた事に一同は眉を寄せる。
「えぇ。彼女の能力があれば彼の事についていくつか確信が得られそうなのです・・・何分私からしても彼は未知の領域の存在でして、単なる幻想入りと判断してはいけないと思いましたのでお願いしますわ」
「・・・仕方ありませんね。では小町、いつものような形で古明地さとりの元まで行ってきてください。来たくないと言ったなら今度は私自ら向かうと言ってくださいね」
「分かりました~。じゃちょっと時間はかかると思うんで、白玉楼の中で待っておいてください」
紫はその様子に構わず続けて呼ぶように頼む声を向け、映姫は不本意そうに小町に視線を向け是非とも連れてくるように強調すると、了承を返して小町はヒラヒラ手を振りながら白玉楼の外の方へと歩いていった。
.