焔に触れ亡霊の姫は変わりゆく

「あの・・・これからどうなるんだ、俺?ここがあの世だって言うんなら、俺はどうすればいいんだ?」
「う~ん・・・その事なんだけれど、少し変なのよ」
「変・・・?」
それでルークは自分がどうすればいいのかと不安げに聞くが、幽々子は頬に指を当てながら少し考え込むようにしながら変と口にしたことに眉を寄せる。
「貴方の事に関してはいくつか変な点はあるけど、最も変な点は貴方が本当に死んでいるのかもそうだけど生きているかどうかも分からないのよ」
「えっ・・・ど、どういう事なんだ・・・?」
「私も亡霊という身である事もそうだけど、私自身の能力もあるから生者か死者かどうかを見分けることは出来るわ。けど貴方を初めて見た時からどちらか判断出来なかったから、こうして貴方を白玉楼の中に連れてきて起きるまで待って話を聞こうと思ったのだけれど・・・それで話を聞いてみて一層貴方がどっちなのか分からなくなったのよ。確かに話を聞く限りでは貴方は死んだように思えるけれど、だからこそ死者としての気配がないしかといって生者の気配も感じない事がね」
「そ、そうなのか・・・」
幽々子はそのままの体勢で自身の目で判断がつかないと困ったように漏らしていき、ルークはその中身に困惑した声を漏らすしかなかった・・・幽々子の能力である『死を操る程度の能力』については知らなくても、彼女が単なる出鱈目をだとかを言っている訳ではないのは分かった為に。
「・・・取り敢えずこの白玉楼に滞在なさい、ルーク。貴方の事に関して調べることが出来る上でこれからの貴方の事をどうするかを判断出来る人を連れてこれるようにするから、それまではここにいていいわよ」
「・・・いいのか?」
「大丈夫よ。それにここから出てもらった所でどこに貴方を置くのかという話になるし、部屋は十分にあるからここにいればいいわ」
「・・・分かった・・・行く宛がないのは確かだから、世話になるよ」
それで幽々子が一人で納得するよう指を外して笑顔を浮かべてしばらく滞在するように言い、ルークは少し遠慮しようとしたが何処にいるのかという話にすぐに頷かざるを得なかった。幻想郷に来たばかりのルークには頼れる人物も知っている場所も何も本当に無かった為に。
「・・・幽々子様~、ただいま戻りました~・・・」
「あぁ、ちょうど良かったわ。ここには私と亡霊以外に妖夢しかいないから、妖夢の事を紹介するから付いてきてもらえるかしら?」
「あぁ、分かった」
そんな風に話がまとまった所で玄関の方から声が聞こえてきたことに幽々子は立ち上がり付いてくるように言い、ルークも頷きながら幽々子が歩いていくその後ろを付いていく。



















・・・それで白玉楼に戻ってきた妖夢と顔合わせをしたルークは最初こそは誰とも知らない男が主の隣にいることに何とも言いがたそうな様子を見せていたが、生者か死者か分からないといった点に行く場所がないから閻魔様に来てもらうまではここにいてもらうようにすると言われ、ならと渋々妖夢は頷いた。主の意向にルークの事情の二つがあったことでだ。

それで妖夢が納得した所で三人は食事をした上でルークが使う部屋にルークを幽々子が案内し、そこにルークを置いた後幽々子が居間に戻ると妖夢が何とも言えない表情を浮かべて立っていた。









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