異なる結末と焔の安寧

「まぁその辺りに関しては我々の中だけの事ですから言いはしませんでしたが、その代わりとして我々を恨んでないかという質問をしました。なんだかんだ言いはしましたが、我々が謡将を殺すと判断したことに変わりはありませんでしたからね・・・ただその辺りはもう割り切ったと答えてくれましたよ。謡将達の気持ちは分かるとは言ったけれど、今こうして生きているからこそ言えることとして謡将達が勝ってレプリカ大地にレプリカの人類を用意した所で、謡将達の支配以外の形で以降のオールドラントが成り立つとは思えないと」
「辛辣ではあるが、支配以外の未来はないというのは事実だっただろうな。だがそこまで言い切るとは、それだけアリエッタは成長出来たのか」
「その辺りは彼女自身がちゃんと考えた結果ですよ・・・まぁそういう事から彼女は立派に成長していき、ディストも色々と教えていった過程で以前より満ち足りた様子でマルクト内での仕事に従事していました・・・まぁそれでも後数年の内には私とピオニー元陛下も含めてまともに動けなくなり、順々に亡くなっていくでしょう」
「・・・自然の摂理だと分かっているし、俺も後何年自分の足で歩くことが出来るか分からん・・・ただ言えることとしては、もうこの会合が終わって顔が見えなくなった時が俺達が顔を合わせる最後という訳か」
そうしてアリエッタの成長の度合いにディストもいい影響を受けたと話していくが、ジェイドが自身の死もいよいよ近いと口にするとアッシュも同じように返す。
「・・・私はこの三十年少しといった期間、前から様々に変えた上で生きてきました。そしてその結果に私は満足しています。アリエッタ達の事もありますが、何よりこのオールドラントにいないとは言えルークの為に動けたということにです」
「・・・そうだな。その点に関しては俺も同じであるし、心残りになっていたルークの事をどうにか出来た・・・その点については俺も満足しているが、ルークも歳を取っているなら俺と同じような感じになっているのだろうな」



「残念ながらそうではありませんわ」



「っ・・・紫、貴女なのですか?」
「えぇ、お久しぶりですわ。お二人とも」
・・・そうしてルークの事についてを二人揃って神妙に話し出した中、唐突に二人の横からスキマが開いて三十年少し前と一切変わらない姿で出てきた紫にジェイドは驚きつつも確認を取ると、微笑と共に肯定が返ってきた。自分は八雲紫だと。
「・・・久しぶりなのは確かだが、どうしていきなりここに来た?もうお前にはここに来る理由も何も無いのではないか?」
「いえ、ふと思い出したから来ようと思ってここに来たまでです・・・以前のオールドラントで貴殿方がこの歳でここで会合していたことを思い出し、そこからルークの体を手に入れる為の手伝いを願ったことを。それで今の時間の貴殿方の歳も歳ですから最後のお別れを告げるためと、事後報告の為にとここに来てみたら貴殿方がまたここに来ていたから顔を出した次第ですわ」
「成程、そういうことか・・・」
アッシュはそんな紫に不可解な登場だと疑問を向けると、何の事もないというように返してきた話の中身に納得した。一応の義理立てに気まぐれに近くはあるが来たのだということに。









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