異なる結末と焔の安寧

そうしてアリエッタの元に来たジェイドはどうしたのか話を聞いていくのだが、簡単にまとめるともうダアトには帰らないというか帰れないというように告げた。ヴァン達のやってきたことにやろうとしてきたことを聞かされて嘘だと思いたかったが、ディストが嘘ではないと言った上でジェイド達がそれらを止めるために動いたこと・・・そしてシンクの末路とそこでの話についてを振り返ったことにより、もうヴァン達の事についてもそうだがイオンの事もあるからダアトには戻る気にはなれなくなったとの事だった。

そう聞いたジェイドはその結論については受け入れるが、それならこれからどうするのかとアリエッタに問い掛けた。ダアトに戻る気にならないのならその旨については教団に伝えはするが、だからと言って事実を知らなかった事を差し引いても無罪放免と言うわけにはいかない事から、ディスト共々監視下に置かれる形で暮らすことになる上で友達とも街の人々の事があるから離れて暮らさなければならない・・・そしてそう聞いて意見を翻したいにしても、ダアトに戻ってもそう簡単には自由の身にならないだろう上に友達が周りに被害を与えれば、アリエッタ共々討伐に向かわれる可能性があると。

つまりどちらにしてもアリエッタは友達とは離れた暮らしをしなければならない・・・そうジェイドから聞かされたアリエッタは、かなり悩んだ後で我慢するけどその前に友達と別れの挨拶はしたいと言った。せめてそれくらいはしたいと。

ジェイドはそれくらいならというように頷き、一度アリエッタと共に外に出て彼女が外に出てきた事に気付いた魔物達が寄ってきてしばらく話し込んだのだが・・・そうして魔物達が離れていく様子を見てどうなったのかと聞くと、皆寂しいけど仕方無いというように言ってくれたともアリエッタは答えた。そして困ったことがあれば呼べば助けにはくるが、もうこれを一つの機会として自分達と一緒にいるのではなく、人間の中に戻って生きていくべきだと言われたとも。

その言葉を受け、ジェイドは内心でアリエッタの教育をちゃんと施そうと決めつつ彼女を連れ帰り、ディストと共に監視下に置く中で彼に彼女の教師役をするようにと指示をした。今後の事を考えれば誰かがアリエッタに物事を教える必要があるが、それに適した人材は近くにいなければならないこともあるし同僚として一緒に活動してきたディストが最適だと。

その声に立場もあって従うしかないディストだったが、そうして教師役と生徒役になった二人は時間が経つにつれて次第に良好な関係を築いていった。この辺りはアリエッタとしては自分に様々な事を教えてくれる存在ということにディストはなって、ディストからしたなら自分を慕ってくれて教えがいのある生徒ということになるのだが・・・特にディストからしたならそれまではかつての師を復活させるために動いていたのがもうそれが出来ない状況になったと理解させられた上で、その心のスキマを埋めるように自分が先生となって慕う生徒を導くという形になったことからアリエッタに親身になるという違う形で満ち足りる事になった。

そんなことから二人はマルクト内で活動していく内に監視下に置く必要がないと判断され、ディストはマルクトの研究者として働くことになりアリエッタもディストと共に暮らす形でその近辺で働くことになったのだ。と言っても両者の間に恋愛感情や性的な関係などなく、教師と先生という関係のまま二人は過ごしていったのである。









.
21/27ページ
スキ