異なる結末と焔の安寧

「・・・まぁティアに関してはもういいだろうが、後は精々聞くこととしたならディストにアリエッタの事といったくらいだが・・・あの二人はどうしているんだ?前と違ってアリエッタが生きていることについてその後の流れはある程度は聞いているが・・・」
「まぁ前の延長線上といった程度ですが、私と違ってディストは研究でずっと引きこもり気味な生活をしていたものですから彼は遠出をすることはもう出来ない体になってきていて、アリエッタがその介護に付き添っています。もう今となっては魔物との交流もしない形でです」
「話に聞いただけではあるが、今も思うがアリエッタがそんな風になるとは思わなかったな」
「彼女の事に関しては色々とどうするか判断するには難しいものがありましたからね・・・その中で最悪なのは謡将の正体やら狙いやらを報せないままに我々が彼を殺した事を知れば、癇癪を起こして我々に襲い掛かりに来かねないといった可能性でした。ですのでディストも交えた上で謡将達の計画の全貌についてを話していったんですが・・・まぁ彼女の幼さに多少苦労はしましたが、それを補って余りある素直さがありましたから案外すんなりいった部分もあったのも事実ですね」
そんなティアについての話題を変えようとディストとアリエッタについてを聞くアッシュに、ジェイドがその問いに答える中でアリエッタについてを深く触れていく。






・・・ロニール雪山にてディストとアリエッタの二人は捕まえられた後、グランコクマへと連行されていったのだがそこでジェイドは二人というかアリエッタについてをどうするかと真剣に考えた。ディストはその性格上最早フォミクリー技術さえ使えなくなりヴァン達がもういないとなれば行動しなくなるという前例があったが、アリエッタはその幼さからどちらに転ぶかが分かりにくい部分がある上でこちらに靡いてもらいたいという気持ちが少なからずあったために。

その為ジェイドはディストに事前にヴァン達の壊滅やらについての経緯を話した上で、アリエッタに同じような話をするから嘘ではないという証言役をしてくれと頼んだ上で彼女との話に踏み切った。

まぁその際にヴァンを善人だと思い込んで疑うことなどなかったアリエッタは嘘だと涙を浮かべながら信じようとしなかったが、それでもディストからの証言もそうであるが何より・・・レプリカとして生まれたイオン達の事や、シンクの受けた仕打ちやその最期についてを聞かされてしばらく泣いたので泣き止むまで待ち、どうだったかと問い掛ければ・・・ディストにシンクの事は本当だったのかと確認し、シンクもそうだがレプリカという存在そのもの自体をヴァンは不快と思いアリエッタや深い事情を知らない人の前ではそうだったのは自分も見たことがある・・・という返答を聞いたアリエッタは、悲しげながらも信じざるを得ないといったような様子を見せていた。

そんな姿を見たジェイドはしばらくの間は牢屋の中にはなるが、ゆっくりどうしたいかを考えながら過ごせばいいとアリエッタに言った。それで望めばダアトに帰すことは条件付きになるだろうが出来るだろうが、その場合の条件の中にはイオンやシンクがレプリカであったことを明かすことはダアト側だけでなくマルクトやキムラスカも望まれないだろうから、どうなるにしてもその事は黙る必要が最低限あると。

・・・そうしてジェイドは二人と別れてしばらくの間ゆっくり過ごしてもらうのだが、とある日にジェイドはアリエッタから来てほしいといった声があるという連絡を兵士から受けた為、アリエッタの元に向かった。









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