異なる結末と焔の安寧
「その点ではティアに関してはこちらの方は特にという形になりますが、正直いてもいなくても同じというか・・・むしろいなかった方が良かったと言った方がいいでしょうね」
「まぁそれはな・・・」
そんなイオンについてから話題をティアへと移すジェイドだが、アッシュはその中身に何とも言いがたそうに表情を歪める。
「・・・前にも話したと思うが、ティアが生きていたとしたならそもそもこんな状況にはなっていなかっただろう。アブソーブゲートでの話を考えたならヴァンを殺した後は無気力に生きることなく、その時は色々と取り繕った所で後で俺達を殺しに行き、それが成功したならヴァンの名誉を回復させようと暴論を振り撒きそれらを正論にしろとわめきたてていっただろう。確かに外殻大地全てを落としてしまおうとしたかもしれないが、ホドで被害にあったことや預言に詠まれた未来を変えようとしたんだから兄の認識を英雄にしろ・・・といったようにな」
「そうでしょうね。そしてそれをダアトの掲げる物としろと上層部に掛け合うばかりか、自分が神託の盾のトップにしろと言ってきていたでしょう。我々を殺したというのにキムラスカとマルクトがどんな反応をするかなど、自分の考えが何より優先されるから知ったことかというようにです・・・ただキムラスカとマルクトがダアトというか、ティアを標的に攻めてくるとなったら自分の命を最優先にした行動を取っていたでしょうね。それこそ自分が死んだらどうするんだとばかりに言い繕い、その実は自分の身の安全を最優先にして他を見捨てる形でです」
「その時になればどう悪足掻きしようがティアを捕縛及び処刑か両国に差し出すという選択をダアトは取り、そこで騒ぎは終焉といったような物になっただろう・・・結果としてオールドラント全体で見ても何一つ残るものはないどころか、失われて二度と取り返しのつかない物ばかりが生まれる形でな」
「えぇ。そういった不安があるからこそ私は心が折れないならティアを殺すしかないと思い、彼女を殺したのです。まぁそれが世界の為には正解であったことは疑ってはいませんし、そもそも彼女では我々を殺せなかっただろうことは確実でしたでしょうがね」
そうして二人はもしもの可能性についてを話していき、ティアを殺したことはやはり間違いではないという結論に至る。
「・・・そう考えればどちらのティアにも言えることとしてはユリアの血筋に生まれついただけで、人を率いるような才覚やカリスマといった物など無かったということか」
「偉い人物の血筋に生まれれば無条件に才覚や能力がそこに付いてくるのであれば、教育なんて物がそもそも必要がなくなるでしょう。極論に思うかもしれませんが、結局の所として持って生まれた血以外で人を作り育てるのは周りの環境に他なりません・・・そうでなければ能力も持たないのに自分は偉いんだと威張り腐っているような貴族など存在しませんよ」
「・・・確かにな」
そこでポツリとアッシュが呟いた才覚といった言葉にジェイドがすぐに自身の経験からの言葉を口にしていくと、納得といったように疲れた声を漏らす・・・実際にジェイドも話に出したような人物がいたからだろうが、アッシュもアッシュでそういった人物は王として何人も見てきたために。
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「まぁそれはな・・・」
そんなイオンについてから話題をティアへと移すジェイドだが、アッシュはその中身に何とも言いがたそうに表情を歪める。
「・・・前にも話したと思うが、ティアが生きていたとしたならそもそもこんな状況にはなっていなかっただろう。アブソーブゲートでの話を考えたならヴァンを殺した後は無気力に生きることなく、その時は色々と取り繕った所で後で俺達を殺しに行き、それが成功したならヴァンの名誉を回復させようと暴論を振り撒きそれらを正論にしろとわめきたてていっただろう。確かに外殻大地全てを落としてしまおうとしたかもしれないが、ホドで被害にあったことや預言に詠まれた未来を変えようとしたんだから兄の認識を英雄にしろ・・・といったようにな」
「そうでしょうね。そしてそれをダアトの掲げる物としろと上層部に掛け合うばかりか、自分が神託の盾のトップにしろと言ってきていたでしょう。我々を殺したというのにキムラスカとマルクトがどんな反応をするかなど、自分の考えが何より優先されるから知ったことかというようにです・・・ただキムラスカとマルクトがダアトというか、ティアを標的に攻めてくるとなったら自分の命を最優先にした行動を取っていたでしょうね。それこそ自分が死んだらどうするんだとばかりに言い繕い、その実は自分の身の安全を最優先にして他を見捨てる形でです」
「その時になればどう悪足掻きしようがティアを捕縛及び処刑か両国に差し出すという選択をダアトは取り、そこで騒ぎは終焉といったような物になっただろう・・・結果としてオールドラント全体で見ても何一つ残るものはないどころか、失われて二度と取り返しのつかない物ばかりが生まれる形でな」
「えぇ。そういった不安があるからこそ私は心が折れないならティアを殺すしかないと思い、彼女を殺したのです。まぁそれが世界の為には正解であったことは疑ってはいませんし、そもそも彼女では我々を殺せなかっただろうことは確実でしたでしょうがね」
そうして二人はもしもの可能性についてを話していき、ティアを殺したことはやはり間違いではないという結論に至る。
「・・・そう考えればどちらのティアにも言えることとしてはユリアの血筋に生まれついただけで、人を率いるような才覚やカリスマといった物など無かったということか」
「偉い人物の血筋に生まれれば無条件に才覚や能力がそこに付いてくるのであれば、教育なんて物がそもそも必要がなくなるでしょう。極論に思うかもしれませんが、結局の所として持って生まれた血以外で人を作り育てるのは周りの環境に他なりません・・・そうでなければ能力も持たないのに自分は偉いんだと威張り腐っているような貴族など存在しませんよ」
「・・・確かにな」
そこでポツリとアッシュが呟いた才覚といった言葉にジェイドがすぐに自身の経験からの言葉を口にしていくと、納得といったように疲れた声を漏らす・・・実際にジェイドも話に出したような人物がいたからだろうが、アッシュもアッシュでそういった人物は王として何人も見てきたために。
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