異なる結末と焔の安寧
「・・・まぁフォミクリー技術を使わなかった、もしくは謡将がフォミクリー技術を隠匿して使っていたならまずモースが導師の座についていたでしょう。当時のユリアシティの預言保守派からしたなら自身らの意志を直接反映させることの出来るいい人材ということになりますから、むしろわざわざ改革派の方々を引っ張り出してトップに据えてまで対立の形を取る理由もありませんからね」
「だろうな。まぁそうなっていたらマルクトはアクゼリュスの時に仲介をモースに頼むはずはなかっただろうし、むしろダアトを避けていた可能性すらあっただろう。モースは大詠師の立場だったから預言改革派をどうこうといったことなど堂々とするようなことは流石に出来なかったが、導師の立場に立ったら改革派を粛清か排除かを問わずに行動をしていた可能性は高かっただろうな。預言は絶対に守るべきもので、そこから外れるような考え方をする者など認められるはずがないと」
「私もそう思いますが、ルークがタタル渓谷に飛ばされた後の流れ自体はおそらくそこまで大きくは変わらなかったでしょうね。変わるとしたならダアトやユリアシティが預言を詠まないという環境を受け入れられるかといった状況について、まず間違いなく簡単には受け入れられなかっただろうということです。改革派となり得た人員ばかりを排除したならそうなり得ない未来などまず想像出来ませんからね」
「そして最悪、モースのように復活したヴァン達の甘言に乗って結構な人員がダアトから離れていた可能性もあったということだな。そしてヴァン達からしたら受け入れがたい人物達だという認識から、捨てゴマのような形で使われていた可能性以外まず見えなかっただろう」
「そうなっていた可能性は高かったでしょうが・・・その場合はダアトにユリアシティは彼がいた場合と違い人がかなり減った上で、キムラスカかマルクトにどうにかしてくれと泣き付いて最悪どちらかの領土に入るという可能性もあったでしょうね」
ジェイドはそこでもしもイオンがいなかったらの可能性についてを挙げ、アッシュもその話についてを深く掘り下げていくのだが、ダアトにユリアシティの住民が悲惨以外の結末が見えなかったという中身に落ち着く。
「この辺りに関しては彼がいてくれたからこそ今であったり我々のいた方のダアトやユリアシティが比較的マシになったと言えるでしょう。いわゆるバタフライエフェクトというヤツですね」
「レプリカが預言に与える影響は微々たる物といったようにヴァンは言っていたが、そう考えれば大勢の人々の命に末路を変えたということか」
「そうなったことに関してはまぁいいにしても、彼があのまま導師の座に居続けていて良かったかと考えれば是と言い切れる材料よりも否の材料の方が多かったでしょうからね。特に以前にも言いましたが、困れば導師やその血脈を頼ればいいという図式に関しては終わらせた方が良かったのは今となっては本当に感じています・・・悲しみが大きかったからこそ、尚更にその影響も大きかったのを感じたからこそね」
「ちなみにイオン自身はそれらに関して聞いたことがあるかもそうだが、どう言ったんだ?」
「そういった話は以前しましたが、あの時が潮時だったんだというように考えたそうですよ。あそこで自分がダアトにいると選んだなら、今のように人々が預言やダアトの上層部に頼るのを止めるのは遅れていたのではないかと考えたと。だからそういった考えもあって、今の自分の暮らしは然程悪くないといったような気持ちを抱いているとのことです」
「そうか・・・ならいいか」
だからこそイオンが導師になった効果があったが、同時にダアトに居続けたなら良くない事になり得た・・・そうジェイドが話す様子にイオンの言っていた言葉を聞いたのもあり、アッシュはそっと微笑んだ。イオンがちゃんと考えていた上で今は少なからず悪くないという気持ちを抱いていると知れて。
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「だろうな。まぁそうなっていたらマルクトはアクゼリュスの時に仲介をモースに頼むはずはなかっただろうし、むしろダアトを避けていた可能性すらあっただろう。モースは大詠師の立場だったから預言改革派をどうこうといったことなど堂々とするようなことは流石に出来なかったが、導師の立場に立ったら改革派を粛清か排除かを問わずに行動をしていた可能性は高かっただろうな。預言は絶対に守るべきもので、そこから外れるような考え方をする者など認められるはずがないと」
「私もそう思いますが、ルークがタタル渓谷に飛ばされた後の流れ自体はおそらくそこまで大きくは変わらなかったでしょうね。変わるとしたならダアトやユリアシティが預言を詠まないという環境を受け入れられるかといった状況について、まず間違いなく簡単には受け入れられなかっただろうということです。改革派となり得た人員ばかりを排除したならそうなり得ない未来などまず想像出来ませんからね」
「そして最悪、モースのように復活したヴァン達の甘言に乗って結構な人員がダアトから離れていた可能性もあったということだな。そしてヴァン達からしたら受け入れがたい人物達だという認識から、捨てゴマのような形で使われていた可能性以外まず見えなかっただろう」
「そうなっていた可能性は高かったでしょうが・・・その場合はダアトにユリアシティは彼がいた場合と違い人がかなり減った上で、キムラスカかマルクトにどうにかしてくれと泣き付いて最悪どちらかの領土に入るという可能性もあったでしょうね」
ジェイドはそこでもしもイオンがいなかったらの可能性についてを挙げ、アッシュもその話についてを深く掘り下げていくのだが、ダアトにユリアシティの住民が悲惨以外の結末が見えなかったという中身に落ち着く。
「この辺りに関しては彼がいてくれたからこそ今であったり我々のいた方のダアトやユリアシティが比較的マシになったと言えるでしょう。いわゆるバタフライエフェクトというヤツですね」
「レプリカが預言に与える影響は微々たる物といったようにヴァンは言っていたが、そう考えれば大勢の人々の命に末路を変えたということか」
「そうなったことに関してはまぁいいにしても、彼があのまま導師の座に居続けていて良かったかと考えれば是と言い切れる材料よりも否の材料の方が多かったでしょうからね。特に以前にも言いましたが、困れば導師やその血脈を頼ればいいという図式に関しては終わらせた方が良かったのは今となっては本当に感じています・・・悲しみが大きかったからこそ、尚更にその影響も大きかったのを感じたからこそね」
「ちなみにイオン自身はそれらに関して聞いたことがあるかもそうだが、どう言ったんだ?」
「そういった話は以前しましたが、あの時が潮時だったんだというように考えたそうですよ。あそこで自分がダアトにいると選んだなら、今のように人々が預言やダアトの上層部に頼るのを止めるのは遅れていたのではないかと考えたと。だからそういった考えもあって、今の自分の暮らしは然程悪くないといったような気持ちを抱いているとのことです」
「そうか・・・ならいいか」
だからこそイオンが導師になった効果があったが、同時にダアトに居続けたなら良くない事になり得た・・・そうジェイドが話す様子にイオンの言っていた言葉を聞いたのもあり、アッシュはそっと微笑んだ。イオンがちゃんと考えていた上で今は少なからず悪くないという気持ちを抱いていると知れて。
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