異なる結末と焔の安寧

「・・・一応ガイも時間こそはかかりましたが、それでもちゃんとあてがわれた相手と子どもが出来たことに関してひと安心といった感じになりました。ただそれはあくまで子どもが出来たということにであって、ガイについては一先ずは置いておいたんです・・・ただその後も彼はガルディオスとして然程目立った活躍は出来ていなかったんですが、そこはまだ良かったとしても次第に彼が子どもに対して見せる姿勢がいかがなものかという話になったんですよ」
「・・・一体何があったんだ?」
「ガイに悪意があったわけではないのは分かるんですが、ある程度育ってきたその子どもに対してガルディオスの歩みについてを話していったとのことです・・・ガイからの主観が盛大に入り交じっていた上で、自分がこうしてガルディオスに返り咲いたんだといった英雄譚染みた話を」
「・・・それはつまり、自分のやってきたことがさも正しいことだとばかりに子どもに刷り込もうとしたということか。復讐をしようとしたことも、父上に剣を向けて一触即発になりかけていたことも・・・」
「はい、そういうことです」
そうしてガイが生まれた子どもに対していかな事をしたというか話したのか・・・それらを話していくジェイドにアッシュが微妙そうな表情で確認を取ると、肯定の頷きが返ってきた。
「ガイが復讐の為に行動をしたことに関しては事実ですから、それを否定する事は出来ません。しかしそれを妄りに人に広めていいとは誰も言っていませんし、そもそもその事に関しては公然の秘密のような形で誰も何も言わないようにしていたんです。同情の余地がある立場や境遇であることもそうですし、陛下の眼鏡にかなって近くに置かれる事になったのも相まってです。しかしだからと言ってそれらについてを自分は間違ってなかったんだとばかりに子どもに話していたと奥方となった人物からの報告とその中身を受けた時、私も陛下も思わず頭を抱えました・・・誰もが腫れ物扱いにしていた事についてをあろうことか、自分の子どもに語ったことに」
「・・・ガイからすれば風化だったり歴史の裏側に葬らせるようなことはしたくないと思った上でというのもあるんだろうが、そんなことを話を聞くにまだ小さな子どもに語ったということか・・・」
「えぇ・・・まぁその事に関しては奥方からの報告がありましたのですぐにガイには子どもに伝えるにはまだ早い話をするなと言わせてもらいましたが、自分が五歳くらいにはそうなったんだから早い内に伝えなければならないと思ったといった返しを聞いた時点で確信しました・・・ガイは結局の所で復讐を正当化と共に、自分やガルディオスを美化したいのだということを」
「・・・それで、その結果として最終的にどうなった?」
「簡単に言わせていただくならあまりガイをいたずらに刺激しない方がいいだろうということから、子どもにするにはまだ早い話だというように言えとのピオニー陛下の言葉通りに彼に話をして頷かせた後、子どものちゃんとした成長を考えるなら近くに置くのは避けた方がいいということからしばらくの間国内を回る仕事に着けました。そしてその件がだめ押しとなる形でルークの事を常々私に言っていたのも加わり、私は彼と時間を共にするのはもう嫌だと思うようになっていったのですよ」
「・・・確かにそういった話を聞けばガイの事を面倒と感じるのも妥当だと思えるな・・・」
そしてそこからいかにガイが面倒でいて、駄目な事を仕出かしていったのか・・・それらをジェイドが自身の気持ちも併せて口にしていったことに、アッシュも同情の気持ちを込めた表情を浮かべた。話に聞くだけでもいかにガイが厄介な事をしてきたのかが分かった為に。









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