意識の境界に認識のすり合わせ

・・・二人きりで話すべきを話終えたルークとジェイドは、次にティアと話をするべく部屋を移す。






「お疲れ様です、大佐・・・」
「・・・どうですか、彼女は?」
「・・・それが質問をしたのですが、マルクトに不法侵入という形になったことはあくまで事故だと主張した上で我々に話すことなどないと言った後は何を言っても黙ったきりで・・・」
「そうですか・・・貴方は持ち場に戻ってください。ご苦労様でした」
「はっ、失礼します!」
それで入室をした所で妙に疲れた兵士の声にジェイドはどうだったのかを問うが、取り付くシマが全くないとティアが椅子に座り素知らぬ顔でそっぽを向いている様子を見ながら報告をしてきたことに、労いをかけ退出を命じると勢いよく敬礼を返して場を後にしていった。
「・・・出来れば質問にくらいは普通に答えてほしかったのですがね・・・」
「お言葉ですが、あの兵士の人が言った言葉が私の主張の全てです。あくまでマルクトに飛んできてしまったのは事故でしかなく、マルクトに対して敵対するものでもないし貴殿方に関わろうというつもりもありません。ですのでそれで答えられることは全て答えたと言うわけです」
「「っ・・・」」
それでジェイドが面倒そうに声をかけるのだが、言葉だけは丁寧にしつつも全く悪びれることもなく返していくティアの姿にルーク共々眉間にシワを寄せた。
(『・・・もうこいつ、完全に軍の地位とかそんなこと関係無く見てるっつーか自分の気持ちだけで態度決めてるな・・・』)
(・・・否定出来ねぇ・・・)
そして『ルーク』もまた盛大に呆れたような声を漏らし、ルークはもう擁護しようもない力ない声で返すしか出来なかった。
「・・・それが貴女の言い分ですか・・・こちらの方からその時の経緯については聞いていますから、その通りであるなら貴女には確かにマルクトに対しての害意からここに来たわけではないのでしょう・・・それなら貴女はこれからどうするのでしょうか?こちらの方を送るのは言葉通りにしても、またバチカルに謡将を襲いに行くとでも言うのですか?」
「・・・貴殿方には関係の無いことです」
「関係が無い訳ではないからこのようなことを言っているのですよ。我々はこの後バチカルに向かう予定なんですからね」
「・・・え?」
ただジェイドは一応は気を取り直して話を進めるのだが一向に関係無いと貫こうとするティアに、バチカルに行く予定だと言うと初めてキョトンとしたような視線を向ける。
「理由については詳しく言えませんが、とある理由で我々はバチカルに向かいます。とは言え戦争であったりのようなキムラスカへの敵性の行動を取るためではありませんが、そうするからには私としてはこちらの方をバチカルにお連れしたいのです。色々と思惑があるのは否定はしませんがね」
「なら私も・・・」
「今の言葉の意味を考えずに私も連れていけ、ですか?だとしたらとんだ恥知らずな上に考えなしですね、貴女」
「なっ・・・!?」
理由は言えないとしつつもバチカルにルークも連れていきたいと言うジェイドにティアは当然自分もといったような声を上げようとしたが、その言葉を読みきった上でハッキリ罵倒の言葉を向けられた事に怒りと同時に絶句した。そこまでの言葉を向けられるとは思っていなかったというよう。









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