帰るべき場所、一つとなる焔

(『・・・だからさ。俺としちゃもうここまで見れたんならいいかって思っちまったんだ。諦めるとかそんなんじゃないし、ましてや死にたいと思ってるわけでもない・・・つってもお前は俺を取り込むことを俺が死んだみたいに思う感じが伝わってきてるから、俺としちゃこんな風な会話は出来なくても共に存在していくみたいに思ってほしいしそうありたい・・・そう思えるようになったんだよ』)
(・・・ただ俺はそれでもそれでいいのかって思ったんだけど、お前の気持ちはそういったことで固まってるってのをこの二週間で聞いたからな・・・)
(『まぁな・・・お前が気分が良くないってのは分かってるからどう言えばいいのかって思ったのもあるし、今更やっぱりやめなんて言い出しても困るのは紫達だろ・・・だから俺を殺すんじゃなく俺と共に存在していくんだって思えって言ったんだよ。俺は納得もしてるしこれまでの旅で満足してるからってな・・・だから俺はそう思ったからお前もそう思えってな』)
(・・・一緒に存在していくっていう発想が俺に無かった上に、本当にそう思ってるっていうのが伝わってきたらかな・・・)
そうして自分がいかに結論を出して、それを本気で考えてきたのか・・・『ルーク』の言葉を受けて、ルークもこの二週間でそれらが本気である事を理解したのだ。
(『・・・すぐに振り切れなんて言わねーし、それで振り切れないからお前のいいとこだってのは分かるんだよ。だから顔は見えねーかもしんねーけど、俺は笑ってお前と一つになることを受け入れる・・・だからもうこの話は終わりにしよう』)
(っ!・・・あぁ、分かった)
そして『ルーク』が続けた言葉の中でふとルークの目に幻か定かではないが、『ルーク』が穏やかに笑いかけてくる姿が映り・・・ルークもまた笑顔で返した。そのことを受け入れるということを。



















「・・・ってわけだから、もう俺達の間じゃ話はついてる。確かに俺達はこれで話せなくなるし意識も無くなってしまうかもしれないけど、一緒に存在していくってことでっていう風にまとめてな」
「・・・そういうことですか・・・」
・・・そうして時間は戻り経緯についてを説明し終わったルークに、ジェイドが代表となるような形で納得の声を漏らした。と言っても中身が中身なだけに明るくなれるような表情ではないが。
「・・・そういう覚悟が出来ているのなら早速始めましょう。ルーク、鍵を持ってもらえるかしら?」
「あぁ、分かった」
紫はそんな中で構わずといったように鍵を持つようにと言い、ルークはアッシュに近付き鍵を受け取るとアッシュは少し距離を取る。
「では行くわ・・・っ!」
「っ・・・!」
そうして紫が両手を前に出して意識を集中するように目を閉じると、ルークの体と鍵が第七音素の光に一気に包まれた。



(『ありがとう、もう一人の俺。そしてこれからもよろしく・・・』)



・・・その瞬間、ルークの頭の中に『ルーク』の優しく穏やかな声が響いた。光に包まれる一瞬に、聞こえる形で。



















・・・そうして場にいる面々がそのルークが光から出てくるのを待つこと数十秒といった所になると、光が収まりその中から鍵を手元に持ってないルークが現れた。









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