帰るべき場所、一つとなる焔

「着いたな・・・じゃあ早速プラネットストームを止めよう。まずはそうしなければ話にならんからな」
そこで早速とアッシュは鍵を取り出しながら譜陣の中へと入っていき、少し集中するよう目を閉じると・・・譜陣はゆっくりと光が収まる形で消えていった。
「・・・よし、終わったぞ。これでもう鍵は役目を終わった訳だが、そろそろ出てきてくれローレライ」
『うむ、分かった』
あっさり終わったプラネットストームの停止にアッシュが何の感慨もないというようにしながらローレライに話し掛けると、鍵からローレライは出てきてアッシュの横へと並ぶ。
「・・・さて、ルーク。もういいかしら?」
「・・・あぁ、こっちの俺との話はもう話は済んでる。紫の能力で俺とこっちの俺、そして鍵が一つになれば・・・それで俺の体は完全に安定するからこそ、一つになる覚悟についてはさ」
そんな二人から紫が確認の為にルークに視線を向けながら確認を取ると、もう大丈夫と表情を引き締めつつ返す。二人が一人になることもそうだが、鍵もそこに入るということに。






・・・鍵も共に一つになる。これはルーク達が一つになるだけでも体は得られるが、鍵という強力な第七音素の塊の芯を入れることにより更なるレプリカの体の安定を図るため、紫がローレライに会って話が出来たなら鍵を譲り受けれるようにしてほしいとルーク達に言っていた。

そしてルーク達がその旨についてを話すと、ローレライは反対の空気など一切出さずに了承した。これ以降のオールドラントにもそうだが自分にも鍵はいらないし、何か恩を返すのには鍵くらいしかやれる物など無いからということでだ。






「・・・もう話は済んでいるとのことですが、良ければどんな会話をしたのかをお聞かせ願えませんか?アルビオールでの移動中はギンジの目がありましたから、詳しく話も出来ませんでしたからね」
「あぁ、まぁあんまり長くないように話すよ」
そこでジェイドはどんな話があったのかについてを問い掛け、ルークは頷いて話し出す。どんなやり取りがあったのかを。


















・・・時間は戻り、二人がタタル渓谷にまで来る少し前になる。
(『今日が最後か・・・なんつーか短いようで長いようでいて、長いようでいて短いようで・・・って感じたけど、それでも十分にゆっくりと話は出来たと思うな』)
(まぁそれはな・・・色々とあったことについて話してって、それでどうするかについて話し合って・・・そしてもうお前が迷う事なく俺と一つになることを受け入れるって気持ちは固まってて揺るがないってことも理解した)
(『自殺したいわけでも消えたい訳でもない・・・それでもこうして色々と知れて、こんな風に出来たってことを考えると本当に良かったって思えるし、俺やこっちのジェイドにアッシュ達じゃそうは出来なくて・・・オッサン達の思う世界になるか、預言通りに滅ぶ世界になっていた・・・それを思えばただ利用されて蔑ろにされて、そして戦わざるを得なかったから戦っていって死ぬだけなんて惨めな結末を迎えるのを避けれた事は俺にとっちゃ何よりだって思えるんだよ』)
夜が明けてセレニアの花畑の広がる朝焼けの光景を眩しそうに目にしつつルーク達は会話を交わすのだが、『ルーク』の声には悲壮感など一切なくむしろ純粋に一つになることを受け入れているといった物だった。









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