定まり見据える未来

「・・・今この場だからこそ言いますが、この七年という俺が生まれてからの時間のほとんどは刺激が無い物でした。それは今となっては俺に不満だとか変な考えを持たないようにだとか、俺がアクゼリュスで死ぬからそのままでいいだろう・・・といったような逃げなければそれでいいといった考えがあったことからだとは理解はしています」
「・・・その事に関してはそれこそ今となってはという話になるが、すまなかった・・・ヴァンの策略によりお前がファブレに来て何も知らない子どもの状態だったあの姿を見た上で、あれだけ親身になっていたヴァンが一転してお前に距離を取るように接していたあの姿に私も多くは望まない方がいいと思うままに屋敷に縛り付けてしまった・・・」
そうしてルークが屋敷での生活についてを話していくのだが、公爵が申し訳無いと深く頭を下げてくる様子に首を横に振る。
「・・・謝っていただけたことは受け取らせていただきますし、俺は父上の事を恨んではいません。ただそういった生活をしていく中で俺が退屈をしていたのは確かであり、ティアの行動に対して怒りを覚えながらタタル渓谷から俺の旅は始まりましたが・・・所々受け入れがたいと思えるようなこともありましたが、それでも屋敷の外の世界というものに触れて俺の心はそれまでになく動いていきました。ですがアクゼリュス以降で俺の事実を知って以降は、本当にこれでいいのかというような考えになっていきました・・・俺は『ルーク』としてファブレに、キムラスカに戻っていいのかと・・・ただその中で俺としては謡将と決着をつけなければどうにもならないと考えていたんですが、そうして決着をつけて時間が経っていったことに大爆発の事を抜きにして考えていくと、俺はただ流れや気持ちに大体身を任せて判断していただけだったんだって感じたんです」
「それは言い過ぎじゃないんですか、ルーク?・・・僕も貴方と共に旅をしてきましたが、貴方は貴方の意志で動いてきたと思うんですが・・・」
「確かに意志はあったとは言える。でもその状況が無かったら俺は自分で考えることなんてのはいつまでこの屋敷の中だけでの生活なんだって不満に思うだけで、何も行動に起こせなかっただろうって思う上で・・・誰かが望んでかどうか別にしても、お膳立てがなくちゃ俺は動けなかったんだろうって今は感じるんだよ。自分で何かを発信してこうしたいとかあぁしたいみたいに考えられて無かっただろうってな・・・そしてそこで大爆発の事が出てきた」
そこで軽く謝りつつも自身の事についてを振り返るように話していくルークにイオンはそれは違うんじゃあと口を挟むが、自身で感じたことだと返していく中で大爆発の事を口にしてそっと目を閉じる。
「・・・正直、ローレライからの話を聞いた時は相当に辛かった。そんな風に考えはしても俺はまだ生きていたいって気持ちは持ってるし、かといってならアッシュに死んでほしいなんていうような考えも持てるはずがなかった。そして大爆発が起きない保証は出来ないって言われた時、俺自身が考えて出した選択は・・・もしもいつともしれない時にそうなってオールドラントを混乱させるよりは、アッシュを早目に安定して生かす為にも元の一人になろうという結論です」
『我にアッシュはそれでいいのかと何度も念を押した。しかしルークの意志は固く、どうするかを決めなければならない中で自身が結論を出さなければいけないことだ・・・という言葉でどうするかが決まったというわけだ』
「「「「っ・・・!」」」」
・・・そうして気持ちを静かに独白していくように言葉を口にしていくルークにローレライも苦い心中を漏らすような声を上げ、場にいた面々は揃って苦渋の表情を浮かべるしかなかった。死ぬというか自身の存在が消えることを承知しているという事を受けて。









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