定まり見据える未来

(『あ~・・・皆呑まれてるな・・・言い方が色々うまいんだよな、本当・・・本当の事を言っちゃいるけど、こっちの事情全部を言っちゃいないってのを悟らせないようにしてるんだし・・・』)
そんな光景にそっと『ルーク』は感心していた。実際の所は大爆発に関しては紫の介入もあって起きようがない状態になっているが、それらの事に関してを言うことなどないままにこれからの自身らの思うような展開に向けての前置きを話の重さとは対照的に、さらりと進めていってる様子に。



『・・・我としてもどうにか止められる物なら止めたいという気持ちはあった。しかしフォミクリー技術により造られた完全同位体の宿命とも呼べる大爆発に関してはその被験者とレプリカを繋ぐ問題として、切っても切れない関係と呼べる物になる・・・だがそれでも出来ることがないかと我自身模索はしてはいったが、精々が被験者とレプリカを繋ぐ糸を断ち切るかいっそ二人を一つの存在にするかの二つ以外に無かった』
「ま、待つのだローレライよ・・・後者はまだ大爆発とやらの性質からそう出来ると理解は出来るが、前者のデメリットは何なのだ?一見その糸を断ち切れば二人は存在出来る可能性があるように思えるが・・・」
『いや、それは違う。むしろ逆になり糸を断ち切られた被験者はその存在の安定が一気に不安定になる可能性が高くなり、大爆発のような事が起きれば・・・アッシュは一人に戻ることすら出来ず、ただ死んでしまうことになりかねないということだ』
「「っ・・・!」」
そんな空気の中でローレライが自身の力でもどうにもならないというよう話をしていく中でインゴベルトが一つの可能性についてを慌てて聞くが、それはアッシュの危険性が高まる意味合いが強いとの答えに公爵共々苦い顔を浮かべた。
「・・・二人がそんな顔になる気持ちは分かります。俺も初めて聞いた時はそういった表情になりましたし、アッシュも同じような表情になりました。ただ一応絶対に大爆発に関しては起きないとは限らないとは言われましたが、起きる可能性が無いとも限らないとも言われました・・・大爆発についてはそれだけ難しいことなのだと」
「・・・ならルーク、お前はどうするんだ?」
「・・・もう覚悟は出来ています。ローレライの力でいつ起きるか分からない大爆発を警戒してビクビクするよりは、元々俺達は一人だったんだから一人に戻るべきだと」
「・・・それをアッシュは受け入れたのか?」
「・・・幾度も話し合いを設け、本気なのかと言ってきました。ですがヴァンを倒した後に残った気持ちに加え、ローレライからの話を聞いて気持ちが変わることはないと言われました」
「・・・この場にいる方々には俺は色々と気を使ってくれる事は感謝はしていますし、自分という存在が消えることに関して何も思わないというわけでもありません。ですが謡将を倒して俺の中に残った気持ちの大幅を占めていたのは、虚脱感でした・・・」
ルークがそんな二人を見て自身の気持ちや考えを真剣に口にしていき、ピオニーがアッシュに質問を向けて無理だったと返したことに何とも言い難い複雑さを滲ませた表情を浮かばせた・・・前のヴァンとの一回目の戦いの後、実際にルークが感じたことを思い。









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