定まり見据える未来

「・・・導師の気持ちに考えは分かった。次はルークだが、お前はどうしようと思っている?」
「・・・その事に関してですが、ピオニー陛下よりの話を受けてからローレライから話があったんです。それは・・・俺はアッシュと一人に戻らなければ様々に問題が発生しかねない可能性があると」
「何・・・それはどういうことだ?」
そうしてイオンから視線をルークに向け問い掛けるピオニーだが、その当人が表情を苦痛に歪めるように漏らした言葉に周りも何なのかと注目をする。
「・・・これはどちらかと言うとジェイドの領分になる話らしいんですが、普通にフォミクリー技術で造られるレプリカはどこかしら被験者に比べて劣化した状態で造られるらしいんです。ただオッサン、いえ謡将が俺を造る際に目的としたのは通常では造られない全く劣化のないレプリカ・・・完全同位体のレプリカを望み、俺が造られたことでローレライと同じ音素振動数を持つことから超振動をアクゼリュスで使わせたかったらしいんですが・・・そこで普通のレプリカなら起きない筈の現象である大爆発が起きる可能性についてをローレライは危惧しているんだそうです」
「大爆発・・・一体どんな事になるというんだ、それが起きたら?」
「ローレライが言うにはレプリカとして取り出された身体情報は劣化したレプリカならもう完全に切り離された体の一部とは反応しないらしいんですが、完全同位体のレプリカに関してだけは被験者がその失われた身体情報を求めようとする現象らしく・・・確実に起こるとは限らないものの、そうなったなら俺という存在は消えてなくなりアッシュに還元されるのではとのことです」
「「「「っ!?」」」」
そうしてルークがピオニーに話をするような形で大爆発は何かという事に関してを説明していくのだが、その結末を聞いて場にいる面々のほとんどが驚愕といった表情を浮かべた。
「・・・ジェイド、確認の為に質問するけど大爆発が起きる可能性は有り得るんだよな?」
「・・・えぇ、そうですね。と言っても私がフォミクリー技術に関わっていた時は完全同位体に関して造ることはまず出来ないと見ていましたので、大爆発については机上の空論と理論だけとしては起き得る事と認識していました。そして遠回りな言い方をするのは却って良くないかと思われますので率直にお答えしますが、大爆発を止めることはまず出来ないと思われてください。今言いましたように大爆発に関しては机上の空論レベルの物だと見られていた上、完全同位体はただでさえ造れるかどうかといった物であって言い方は悪くともサンプルとなるような事例も私は知りません。もしディストにどうかと頼るような事をしても、彼も大爆発を回避する術など持ち合わせてはいないでしょうから無駄かと思われます」
「・・・それはつまり絶対ではないにせよ、ルークはその大爆発によっていずれ死ぬ可能性が高いということか・・・」
「そういうことになります」
「「「「・・・」」」」
そんな中で驚いていないといった様子のジェイドにルークが説明の為の話を振ると眼鏡を押さえつつ詳細に関してを話していき、ピオニーの確認に肯定を返すと場の空気は一気に重いものへと変わってしまった。ルークの死が現実的に見えてしまったことに。









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