定まり見据える未来
「我々はまずピオニー陛下よりそのような発案がされたと導師より聞かされて、どうするべきかというように協議致しました。今まで導師の血脈を守ってきたからこそダアトが維持されてきたのに、それを捨てるような事をするのかと。ですがピオニー陛下より導師がこれからのダアトにおいて頼られ過ぎる事の懸念が出された上で、導師自身の体調の事を考えれば導師に無理を強いるような事は出来ないと見たのです。特に二年前にしばらく体調が優れず人前に出られなかったことに加え、今も体の調子が良くなったとは言いづらい事を考えるとこれからの激務もそうですし、早目に次代の導師の血を継いだ子どもを作っていただくにしてもその子どもが成長するには十年以上の時間は必要・・・そう考えれば陛下の言われるよう、導師は今までの旅の激務で倒れて亡くなったというようにして以降は動いた方がよろしいと見たのです」
「・・・ではもう以降は困ったとしても、導師に頼るような事はしないということか?」
「はい・・・むしろ導師についてを頼ったとしたなら、以降はもう導師による治世から脱却することは出来ないだろう以上に、本当の意味で導師が亡くなった時には相当な事になるでしょう・・・そういったことを踏まえて我々は話し合いを重ね、導師は引退といったような処置で済ませようとしてもいずれはその子どもに導師の地位についてもらおうといった輩がその身の擁立を狙ってくるのではないかと見ましたので・・・」
「だから引退という措置ではなく、表向きは死という形にした方がよいと見たということか・・・」
「そうなります」
それでトリトハイムがいかに自分達が考えて動いてきたかに結論を出したのか・・・インゴベルトからの途中の疑問の声を受けつつ話しきったというように頷き、ピオニーに視線を向ける。
「ですのでピオニー陛下、導師の事についてはこの会談の後にそちらにお任せ致しますがよろしいでしょうか?一度ダアトに戻ってからとなるとその姿を見せないようにして、ダアトからお連れするのは少し難しくなりますので・・・」
「・・・分かった。そういうことならこちらとしてはそれで構わんが、導師は今の立場を捨てることになり日の目を見ることのない暮らしをすることになるがそれでいいんだな?」
「・・・はい、勿論です。むしろこちらが申し訳無いくらいです・・・そのような形で私の事を引き受けていただけるということに・・・」
「気にするな。こちらとしても導師には世話になったし、ダアト式封呪の扉の解除において協力してくれたんだ。これくらいは当然、と言いたいところだが・・・流石にそういった立場になる関係上、そちらが結婚をするだとか子どもを残すことはあまり望まれないということは承知してくれ。表向きに死んだとなる事もあるが、出来る限りは事実を知る者を少なくする上で不自然ではない程度にマルクトに溶け込んで働けるようにするつもりではいる・・・しかしその事情から鑑みれば導師の血を引く者がいることを知られるのもそうだが、その子どもについてを知られたなら面倒なことになりかねん。だから子どもを作る事もそうだが、結婚をするのであればこちらに話をするようにしてくれ」
「・・・分かりました。結婚が出来るかどうかは分かりませんが、そうなることになったならそうさせていただきます・・・」
トリトハイムが後を託すようにイオンを任せるように言ってそれからイオンとピオニーは二人で話を進める中、結婚や子作りについては色々と難しいことを告げれば重々承知したというように深く頷いた。立場的に子どもに責任が来るという可能性を重く受け止めるよう。
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「・・・ではもう以降は困ったとしても、導師に頼るような事はしないということか?」
「はい・・・むしろ導師についてを頼ったとしたなら、以降はもう導師による治世から脱却することは出来ないだろう以上に、本当の意味で導師が亡くなった時には相当な事になるでしょう・・・そういったことを踏まえて我々は話し合いを重ね、導師は引退といったような処置で済ませようとしてもいずれはその子どもに導師の地位についてもらおうといった輩がその身の擁立を狙ってくるのではないかと見ましたので・・・」
「だから引退という措置ではなく、表向きは死という形にした方がよいと見たということか・・・」
「そうなります」
それでトリトハイムがいかに自分達が考えて動いてきたかに結論を出したのか・・・インゴベルトからの途中の疑問の声を受けつつ話しきったというように頷き、ピオニーに視線を向ける。
「ですのでピオニー陛下、導師の事についてはこの会談の後にそちらにお任せ致しますがよろしいでしょうか?一度ダアトに戻ってからとなるとその姿を見せないようにして、ダアトからお連れするのは少し難しくなりますので・・・」
「・・・分かった。そういうことならこちらとしてはそれで構わんが、導師は今の立場を捨てることになり日の目を見ることのない暮らしをすることになるがそれでいいんだな?」
「・・・はい、勿論です。むしろこちらが申し訳無いくらいです・・・そのような形で私の事を引き受けていただけるということに・・・」
「気にするな。こちらとしても導師には世話になったし、ダアト式封呪の扉の解除において協力してくれたんだ。これくらいは当然、と言いたいところだが・・・流石にそういった立場になる関係上、そちらが結婚をするだとか子どもを残すことはあまり望まれないということは承知してくれ。表向きに死んだとなる事もあるが、出来る限りは事実を知る者を少なくする上で不自然ではない程度にマルクトに溶け込んで働けるようにするつもりではいる・・・しかしその事情から鑑みれば導師の血を引く者がいることを知られるのもそうだが、その子どもについてを知られたなら面倒なことになりかねん。だから子どもを作る事もそうだが、結婚をするのであればこちらに話をするようにしてくれ」
「・・・分かりました。結婚が出来るかどうかは分かりませんが、そうなることになったならそうさせていただきます・・・」
トリトハイムが後を託すようにイオンを任せるように言ってそれからイオンとピオニーは二人で話を進める中、結婚や子作りについては色々と難しいことを告げれば重々承知したというように深く頷いた。立場的に子どもに責任が来るという可能性を重く受け止めるよう。
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