定まり見据える未来

『そちらとしてはそのような事にならないようにと警護を厳重にするであったり、そもそもこの場にいる者以外に明かさないようにした上でどこかに保管といった事をするから大丈夫だ・・・といった事を言いたいかもしれん。しかし人を配置するということに加えて、何らかの思惑から鍵を持ち出そうと考える輩が出てこないとも限らん。例えるなら鍵を返してほしければ預言をずっと詠み続けることの出来る環境の維持及び、第七譜石に詠まれたような中身の預言ではなく新たな繁栄の詠まれる預言を詠めるようにしろ・・・そうでなければ海に鍵を投げ入れる、であるとかな』
「っ!・・・そんなことになれば・・・」
『もしそんな誰にも手の届かない場所に行けばその時点でおしまいだ。我は音譜帯に昇ればもう地上に関わるようなことをする気はない上、我はこれ以降地上に戻ってくるような気もない・・・預言通りにならないような未来にしたいと思ってきた上で、より良い未来になるようになってほしいと思ってはいる。しかしその未来を作るのは我ではなくそなたら人間だ・・・今はまだ我はこうしてここにいる上で自らがやったことに対してやるべきことはやるが、我が以降も介入し続ける事は預言が詠める環境と然程大きく変わらぬだろう。だからこそ我は預言より外れた未来になってそれが滅びに向かう未来となっても、それを音譜帯で受け入れるつもりでいるが・・・だからと言ってそなたらにオールドラントが滅びてよいとも思ってないから、鍵に関連することを話したのだ。もしもの事が起こらないようにするためにもな』
「「「「っ・・・」」」」
更に続いたローレライからの話だが鍵の安否を語るのもそうだが、それ以上にいかにこれからの事を考えた上でやれることはやるが以降には都合よく姿を現すつもりはない・・・そう揺るぐことなく話していくその言葉に、受け答えをしたインゴベルトもだが周りの面々も反論の言葉など出てこずに息を呑むしかなかった。ローレライの考えとして今しばらくまでは手伝いはするからこそ、それ以降に助けを求める事は間違いだと思わせる話に。
『・・・話を少し戻すが、鍵を残しておきたくない理由についてまだある。それは鍵を使えばプラネットストームを止める事が出来ると共に、再び活動させることも知識さえあれば出来るからだ』
「っ・・・そうなのか・・・?」
『そうだ。大部分は創世歴時代の技術で造られているが、その肝心要の部分はラジエイトゲートに鍵を持って配置された譜陣だ。そしてそれを停止させるには鍵を使えば安全にはいけるが、同時にもう一度ちゃんとした知識を持った者が鍵を使って譜陣を構成させるような事をすれば・・・プラネットストームは復活することとなり、更に言うなら何らかの事情から鍵が何処かに失われたとしたなら・・・』
「・・・その時にはもう誰にもどうすることも出来ず、一か八か可能性を上げつつも無理矢理にプラネットストームを止めるくらいしかどうしようもなくなる・・・だからお前がまだ地上にいる内にプラネットストームを止め、鍵をお前がそのまま音譜帯に持っていけばもう再びプラネットストームが動くことはないから、障気の復活を始めとして様々に防ぐにはいいということか・・・」
『そういうことだ』
そんな空気から改めてまだ鍵を残す問題があると話していくローレライにピオニーもその必要性を重く受け止める。鍵を残す事の危険性は確かに無視出来ないものだと。









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