定まり見据える未来

『故にだ。オールドラントを維持したいというのであれば、プラネットストームを止める以外にない。仮にプラネットストームを維持したいからまだ残したいと言っても一度目は犠牲はあってもうまくいくかもしれぬが、それも確実に大丈夫だという保証はない上に二度目以降もうまく行くとも限らん。そう考えれば人々の不満やらは出てくることは覚悟の上で、プラネットストームを停止させて音素や預言に頼らぬように動くべきだ』
「・・・それだけの事だと言うのか・・・プラネットストームを残すことの危険性は・・・」
「インゴベルト陛下・・・確かに音素や預言の恩恵についてを惜しむ気持ちは分からないわけではないが、この問題に関しては我々が生きている内に解決しなければならない問題だと俺は見ている。預言に関してはその中身もあってもう詠まないようにするが、プラネットストームは出来る限り自分達が死んでからどうにかしてくれと音素の恩恵を賜ろうとする姿勢を貫こうとしたなら、我ら以降の世代でも音素の恩恵をそのまま享受したいからプラネットストームを停止させずまた障気の押し込みをすればいいと安穏とした考えを持ったなら・・・その時にはもう我々はどうすることも出来ず、ただオールドラントが障気に包まれ滅びるようなことになる道筋を歩むことだろう」
「・・・我々以降の世代の事を考えるなら、ここで困難だということは承知の上でプラネットストームを止めて音素が巡るような事にならないようにした方がいいと言うことか・・・」
だからこそとローレライはプラネットストームを止めるべきというように言い、インゴベルトが難しいといった表情を浮かばせる様子にピオニーが自身の考え・・・プラネットストームを止めることに前向きになるべきといった事を口にしていき、その中身に苦さを滲ませるように表情を歪める。理解は確かに出来るが、音素のある環境を手放すのは簡単ではないというよう。
『ピオニーの言うようにやってほしいという気持ちは我にはあるが、それとはまた別の問題として我から言わせてもらう事がある・・・それは何かと言えばプラネットストームを安全に止める為に何が必要なのかと言えばこの鍵であるが、我は然程遠くない時間に他の意識集合体同様に鍵と共に音譜帯に昇って新たな帯となるつもりでいる。その為、まだしばらくは地上にはいるが出来ることならプラネットストームを止めると早く結論を出してほしい』
「・・・音譜帯に昇る、か。他の意識集合体と共にと言うのは分かるが、鍵と共にと言うのはどうしてだ?一応その言葉からして鍵があればローレライがいなくてもプラネットストームを止めることは出来るんだろうが・・・」
だがそこでまた別の問題として自身もだが鍵の事も言葉にしていくローレライに、ピオニーは納得しつつも鍵を残さない理由についてを問い掛ける。
『単純な話として、鍵を地上に残していく事の危険性があるからだ。誰が何処で管理するかという問題になるのは勿論だが、この鍵があるならいつでもプラネットストームを止められると安穏とする形になり気が緩む事もある・・・しかし最も厄介な問題が何かと言えば』



『どういう思惑からであれ、鍵を持ち去られてもう誰も手に届かない場所にプラネットストームを止める前に失われた状態になることだ』



「「「「っ!?」」」」
・・・その返答に対してローレライが口にしたまさかの可能性に、場にいた面々は表情に驚愕を一斉に浮かべた。そんなことが起きればどうなるのかという危険性を感じて。









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