定まり見据える未来

「・・・初めまして、だな。今呼ばれたが、俺はピオニー。マルクトの皇帝だ」
「うむ。私はキムラスカの王のインゴベルトだ。此度はこうして首脳会談を開くと発案し、状況を整えてもらえたことに感謝する」
「何、こちらもルーク達に助けられた身だ。気にすることはない」
そうして両者は互いに歩み寄り友好的なように笑顔を浮かべながら握手をしていき、周りは少し緊迫したようになっていた空気も和らぐような物に変わった。
「・・・さて、着いたばかりで済まないが中に行こう。一応そちらも余裕を持って時間は取られてはいるだろうが、これからの事を考えるなら早目に首脳会談を進めて今後の事に備えたい」
「うむ、分かった。では行こう」
そんな友好さから一転して早く行こうと手を戻し真面目に切り出すピオニーにインゴベルトが頷いたことで、一同はユリアシティの中心部へと歩いて行く・・・かつての険悪さなど無かったかのよう、迷いを見せることも敵対心も浮かばせる事もなく・・・



















・・・そうして市長室に向かうとイオン達が出迎えてくれた上で、早速と両陣営が分かれてイオン達が市長側の椅子に寄る形で首脳会談が開かれる事になったのだが・・・最初からしばらくするまで、分かりやすく言うなら和平の締結に関してまではすんなりと済んだ。この辺りは預言の中身から考えれば、当然と言えるだろう。



「・・・さて、次に決める事というよりは聞きたいこととしてはこのユリアシティの今後の事に関してになる。一応はこの場を首脳会談の場として使わせるという事からそちらも預言からの脱却及び、人々の目に触れて生活するつもりなんだな?」
「はい・・・勿論今までの経緯から協力をせねばならないということを考えたというのもありますが、最早アラミス湧水洞に繋がっていた譜陣からダアトに向かえなくなった以上、我々がこの街で生きていくということを考えるなら港としてこの街を使ってもらう傍らで食料やお金を得るようにしなければならないからこそ、これ以降は各地の中継地点の港といったような役割を担いたいと思っています。無論、預言の復活であったりなどを願うであったり自分達は特別な存在だと言うような輩などは出ないようにちゃんと言っていくようにしていきます」
「成程・・・そう聞けて安心した。そちらもこの状況に関してちゃんと考えているということにな」
・・・そうして話が進みピオニーがユリアシティの立ち位置に関してを市長に問い掛けると、真剣にちゃんと考えているといったように答えていくその中身に満足といったように頷く。
「・・・では続いてローレライ。お前に聞きたいことがあるのだが、前に話に聞いたプラネットストームを止めねばいずれ障気は復活する上で完全に出ないようにするにはそうするしかないというのは・・・本当なのか?」
『あぁ。それはもうどうしようもない。むしろタルタロスが後十数年くらいは持つだろうからというように考えるのではなく、今も尚障気は生まれ続けていてそれがタルタロスが壊れた際に一気に放たれると考えれば、またタルタロスでどうにかしようとしてもその溢れ出た障気によりオールドラントの人々が一気にダメージを負い、かなりの人々が回復不能になるどころではなくなる可能性も十分に有り得るだろう』
「・・・そう、なのか・・・」
続いてインゴベルトがアッシュの持つ鍵にプラネットストームに関してを問い掛けるのだが、ローレライがまず大丈夫とは言えないと言い切るその中身に他の面々も表情を曇らせた。それだけプラネットストームが動く事で障気が生まれ、プラネットストームを止めねばどうしようもないのだということに。









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