定まり見据える未来

「・・・父上や叔父上が俺に関してどんな風な考えを抱いているかは分かりません。けれど前にも話しましたけど、謡将と決着をつけた今こうして落ち着いたからこそ俺がどうするかにどうしたいかを決めなければならない時が近いと思うんです・・・ですから首脳会談が始まるまでどうするかに関してを決める為にも、俺はバチカルから出立するまでは下の宿に滞在したいと思っています」
「そして私もルークがどうするかを決める上で自分のこれからに全く無関係ではない為、ルークに付いておこうと思っています。その結論次第では私だけではなく、ルークも共にキムラスカに戻ることになるかと思われますので」
「それは構わぬのだが、そなたは確実にキムラスカに戻ると言うのだな?」
「はい。ヴァンの言葉に乗せられ七年もの時間をキムラスカから離れていた事を考えれば恥知らずと罵られるかもしれませんが、これからの事を考えて私が出来ることをするためにもキムラスカに戻る事を許していただけるならそうしたいと思っています」
「・・・その上でルークがどうするかを見守るというわけか・・・」
ルークは真剣に話を続けていく上でアッシュもその考えに賛同する中、インゴベルトがキムラスカに戻る事に反応した為に真摯に返していくと公爵共々複雑そうな表情を浮かべる。
「・・・分かった。そういうことならゆっくりと下の宿で過ごすといい。こちらは何かない限りはそなたらを呼ばないようにしておく」
「お心遣いありがとうございます」
そして表情を改めて一つ深く頷きインゴベルトは邪魔はしないと言い、ルークはアッシュと共に頭を下げる形で礼を述べた。


















・・・そうして二人は謁見の間を出て下層の宿に向かい、部屋を取るのだが・・・
「あ~・・・やっぱり考えてるってポーズの為だって言っても色々と申し訳無いな~・・・」
「今後に関わる重大な事を一朝一夕に決めたと言うような形で捉えられないようにするには必要なことだというのは理解しているからこそあぁしたんだろう。現に向こうもルークが真剣に考えている物として捉えていたのは見えたから効果は確かだったと見えたからあれで良かっただろうな」
・・・そこで先程までの緊迫した空気はどこへやらといったよう騙したことに少し申し訳無さそうにするルークと、当然だろうというよう平気でアッシュは返していた。あぁいった事で間違ってはいなかったのだと。
「それは俺も感じてはいたけど・・・父上や叔父上達はもし俺がキムラスカに戻りたいって言ったら、一応は受け入れはするのかな・・・?」
「・・・その辺りは色々と難しい部分もあるだろうが、しばらくは一度目にヴァンを倒して再びファブレから出るまでの間のように役目なしで暮らすような形になるだろう。ヴァン達を止めた功績があるのだからとか適当な言い分で何もする必要はないと言いつつ、その実としてどういった風にルークを扱うのかというようにその時に考える形でな」
「う~ん・・・確かにそれが妥当と言えば妥当なんだろうけど、今話に出たあの一ヶ月くらいの期間って俺がそんな風に見られてた期間なのか・・・?」
「・・・正確に言えば俺が行方知れずで放浪していたから、お前まで手放せばキムラスカの跡継ぎの問題があったことからだろうな。あの時の俺は宝珠の探索が重要だと各地を回っていたが、根本的にキムラスカに帰りたくないと言う気持ちはずっと固いままに動いていたから、叔父上達はそんな俺の行動からルークまでもがもしいなくなったならナタリアの事もあってどうしようもなくなるのでは・・・と全て打算からでは無いにしてもそういった部分もあって、お前は役目なしでしばらくはゆっくり暮らさせるようにとなったんだろうな」
「あ~・・・だから屋敷の中でずっとダラダラしてても何も言われなかったって事か・・・」
そんな会話を続けていく内に話題は前にあった一ヶ月の何もしてなかった時の事についてになるが、アッシュが当時の自身の意固地さに表情を固くする中でルークもあぁと複雑さを滲ませ納得するしかなかった。あの時は自分は色々な考えがあった上で屋敷か、最悪バチカルにいてくれた方が色々と都合が良かったから刺激を与えないように暮らせるようにと気を使われていたのだと。









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