定まり見据える未来

『・・・どちらにしてももうその未来は訪れる事はない。この世界線のオールドラントではそなたらのようなイレギュラーが介入しなければ預言かヴァン達による滅び以外無かったのであろうし、アッシュとルークの間で大爆発が起きることなど無かっただろうからな。それにそもそも今のそなたらの間で大爆発など起こす気などないだろう?』
「当然だ。というより紫のおかげで元の俺の体を使ったのもあり、この体は大爆発が起きるような物ではないようになっている。だから大爆発に関しては起こりようはない」
「それに加えて言うと俺は幻想郷に戻ることになるから、大爆発に関しては大丈夫だと思うよ。師匠達との戦いが済んだ今となっちゃアッシュが危機になるほどの戦いとかは余程の事がないと無いと思うし、大爆発の事についてもちゃんと把握してるから無茶も何もないだろうしさ」
『そうか。今となってはもう然程心配する必要のない杞憂だな』
そんな流れにはもうならない・・・そう言葉にしたローレライが大爆発についての確認を二人に向けると、共に起こす気もない上に起きるはずもないと返ってきたことに確かにというように漏らした。物理的に二重の意味で起き得ない事だと、紫の手が加わっていたことも相まって・・・



















・・・そんな風にして様々な話題を話していくルーク達だが、夜が明け翌日になると二手に分かれる形でバチカルとユリアシティへと向かった。その上でバチカルに向かったのはルークとアッシュの二人、である。



「・・・ふむ、分かった。そういうことなら当日にユリアシティに向かえるようにしよう」
「ありがとうございます、陛下」
・・・それでバチカルの人払いがされた謁見の間にて。
一連の流れを説明し終わると公爵を横につけたインゴベルトがすんなりと了承を返してきたことに、アッシュの礼の声と共に二人は頭を下げる。
「それは良いのだが・・・二人はバチカルに滞在する間はどこに泊まるつもりだ?ファブレに戻るのか?それとも城に泊まるのか?」
「・・・その事に関しましては下の階層の宿に泊まる予定です。理由はルークがどうするかを考える時間が欲しいからです」
「・・・考える時間?」
インゴベルトはそんな二人に気にしないよう次の話題だと泊まる場所についてを問い掛けるが、アッシュから返ってきた言葉に公爵共々首を傾げる。
「簡単に言うならばルーク自身どういう身の振り方をするべきかを考えたいとの事です・・・自分はレプリカという事実は変えられないものであり、これからどのように振る舞うべきなのかについてと」
「それは・・・」
「・・・どう答えていい事なのかという気持ちになるのは分かります。ですが母上に俺達の事を話しているのかどうかは聞いていませんが、俺達二人の事を母上に話したとしたならどれだけ困難であるのか・・・その苦心は想像に難くはないと思っています」
「っ・・・」
「・・・確かにルーク、お前の言う通りだ。クリムゾンはシュザンヌに話をするのに相当に気を使ったといった上で、シュザンヌもその話の中身に衝撃を受けて少しの間体調を崩したそうだ・・・そしてそなたは自身の事を考えればこれからどうするのがよいかであるとか、人々にそなたのことを発表した方がよいのかということを考えたいと思っているからこそ時間が欲しいと思っておるのか・・・」
「そうなります」
アッシュがまず始めにと言葉にしたことにルークがその後に続くのだが、それらを受けて公爵がたまらず苦い顔を浮かべる中でインゴベルトは理解をして確認を取ると頷きが返ってきた・・・ここで自分が以降にどう動くのかを真剣にルークが考えているのだというのが分かるよう。









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