片隅に追いやられた難事

「あー・・・こっちが最後って言っちまったし、俺達の方もあんまり時間を使えねーからそろそろ行かねーといけねーけどよ・・・気落ちすんなってのは無理な話なのは分かってるし、近い内に死ぬことになるって考えると下手な励ましはいらねーってなるかもしんねーけど・・・とにかく後はもうゆっくりガイと過ごしてやれよ。セントビナーで一緒の場にいれるかどうかなんてわかんねーけどよ」
「その辺りに関しては融通するようには口添えはしますよ。というよりガイの様子から考えれば一人にしたなら脱走なり抵抗なりすることも考えられますから、どこの誰とも知らない人物が近くにいるよりはその方が彼も二の足を踏むでしょうし・・・何より今の話に関してを獄中という形でではあっても話してもらえるなら、ガイも最早行動は出来なくなる可能性が出てきますからね」
「っ・・・分かりました・・・ガイラルディア様にはもう行動することは望まれない旨についてを話すようにしたいと思います・・・」
ルークはそんな中で気まずそうながらもゆっくり共にいれるようにと言うと、ジェイドがそうするしこうしてほしいと言いペールはその中身に観念したように頷いた。もう取れる選択肢は少ないからこそ、下手にこれ以上妙な事にならないようにするためにもルーク達の言うことに従うと・・・


















・・・そうしてそこでルーク達はもうここでの話を切り上げるとし、ノワール達と別れてバーを出てペールを領事館に預けてケセドニアの外に出た。だが外に出て人の目が少なくなった所で、立ち止まる。
「・・・正直、何て言うか予想通りな感じとしか言いようがない部分の方が多かったな」
「俺も同じような気持ちを抱いたが、やはり話にも出たがヴァンに影響を受けた部分が大きかったんだろう。二人の会話の中身に関してはガイは話してはくれんだろうが、大方の予想としてはヴァンの言うことを真に受けすぎて自分達以外の信用出来ない者達に心を許すなだとか、確実に成功させるからそれまで二人で行動するな・・・といったような言葉にずっと縛られてきたんだろう。頼れるのがヴァンとペールだけしかいなかった上にペールも似たような雰囲気があったからこそ、違った視点から言葉を出せるヴァンを頼る形でな」
そこでルークが予想通りとの言葉を出した後、アッシュがそのガイの状態を産み出したのはやはりヴァンの言葉からだろうと口にする。本人は認めたくはないだろうが、やはりヴァンに振り回されたからこそこうなったのだろうと。
「ですがそれももう意味はありません。ガイがあぁして言いたくないことに関して沈黙を保ち、復讐に関して諦めたと到底言えないような素振りを見せなかった以上は以降に彼を生かすこと自体が危険に繋がりかねません・・・ですのでもうこのまま彼については終わらせて、我々は先に進みましょう。いいですね?」
「・・・あぁ、分かってる。じゃあ行こう」
そしてジェイドがもうこれ以上気にする必要はないと言った上で先にと口にすると、ルークもアッシュも頷いてアルビオールの方へと歩いていく・・・先程の集まりの場に入る前にはもうガイについては静かに表沙汰にならないように片付けると決めていたからこそ、もうこれ以上話を深く掘り下げず後を任せた者達にその処遇を委ねて先へ進むために・・・









選ぶことも選ばないこともどちらにも責任は生じる



選べないと断ずるのは道を絶ったも同じこと



選んだからこそ焔達は行く。かつての仲間をひっそりと葬ることになろうとも・・・



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