片隅に追いやられた難事

「ガイ・・・こういう言い方が貴方にとって心地よくないことは承知して言わせていただきますが、貴方の底が見えました。貴方は結局の所として・・・復讐を諦められないこともそうですが、同時にその復讐関連で自分が良く思われるように見られる事が重要なのだということが」
「っ・・・何故、そんな風に言うんですか・・・!?」
そうしてジェイドが見切ったというように口にした言葉に、ガイは心外だと言わんように問い掛ける。
「もう我々が貴方の事を分かっているというのにここまで貴方からの発言は全くと言っていい程なかったのに、従者からの言葉にはやけに感情的になった姿は貴方に表裏があるという証明でもありますが・・・その時に見えた貴方の裏の顔に声は、言われたくないことに関する怒りが分かりやすくありました。そして前にバチカルであったティアとの事も相まって、貴方は自分にとって不本意と思うことに関しては受け入れられないという性質を持っていると見ました。まぁそんな風に気に入る気に入らないで態度を明け透けにしてばかりではファブレでの生活に差し支えが出たであろう事からボロが出ないよう、今の貴方のように丁寧というだけで取っ付きにくいよう使用人の仕事に必要な会話だけを割り振られるようにと振る舞ってきたんでしょうね」
「ぅっ・・・!」
対してジェイドはそんな様子に怯むことなど一切なくその根拠を話していくのだが、今の態度の理由についてを聞かされたガイはたまらず図星を突かれたというよう息を詰まらせた。



(『・・・今の合ってるってリアクションなのは見て分かるけど、お前の方のガイと比べるとどうなんだこれ?』)
(う~ん・・・何とも言い難い所なんだよな。人のいいように振る舞ってるとふとした時にポロッと本音がこぼれる事も有り得る訳だし、だからって取っ付きにくい態度ってのも端から見たらどうなんだってなるからな。この辺りはどっこいどっこいだと思うけど・・・)
(『けど?』)
(単純にどっちにしてもガイがある程度本音を隠して動くことは出来たって事じゃあるけど、同時にペールがストッパーっていうかあらゆる意味で踏ん切りをつかせるように出来なかったからガイがファブレに居続けるって結果になったんだって今なら思うんだ・・・師匠は自分の計画があるしガイの安全を優先したいのもあって行動を起こさないように誘導してたんだろうけど、立場的にだったり保護者だとか相談出来る相手ってペールしかいないんだから、ペールがガイにどうするかっていうのを強く決断させる必要があったんじゃないかって思うんだよ・・・その方が最悪ファブレが滅びるかガイ達が返り討ちに合うとかっていう可能性はあったにしても、ガイの決断を招いて状況を変えるって意味じゃさ)
(『・・・確かに俺とかファブレが危ないってのを抜かして考えたなら、ペールにガイの気持ちの後押しだとか決断をさせるようにした方が良かったかもしんねーな。こんな姿を見た後じゃ尚更にそう考えちまうしよ・・・』)
そんな光景に心中で会話をするルーク達は、ルークから出てきたペールに関する考えに『ルーク』もガイを見ながら微妙そうに納得の声をあげた。ガイにとっては吹っ切れるきっかけがあった方が良かっただろうが、それをペールが口に出来なかったからこその今があるということに。









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