片隅に追いやられた難事

「まぁその辺りに関しては一先ず置いておいて聞かせてもらいますが・・・我々と別れてからまたこのケセドニアに戻ってくるまで、貴方はどんなことを考えていったんですか?」
「どんなことをって・・・」
「こちらとしては前に貴方と別れた時は貴方がガルディオスだとは分かっていませんでしたし、貴方も心の何処かで自分の事はガルディオスだとバレないであるとかそういった望みが無かった訳ではないでしょう・・・まぁそれは謡将から言葉を引き出せたことでハッキリとそうでは無くなった訳ですが、それでもまたお会いする機会を設けるといったように言っていましたから貴方はその時にどういったような話をしたいと考えていたのか・・・それをこちらとしては知りたいのですよ。その答え次第で貴方をどうするか決めることになりますからね」
「っ・・・!」
ジェイドはそんな流れを変えてどういった考えをこの再会の時までに抱いたのか・・・そういったように聞くのだが、ガイはたまらず苦い顔を浮かべた。然程時間も置かずに本題に入られたことに対してもあるのだろうが、その反応は明らかにその考えについてを明かしたくないと言っているような物だろうと分かる様に。



(『・・・この様子だと明らかに綺麗さっぱり復讐を諦めました、なんて言葉が出てくるようには見えねーな』)
(俺もそうと思うし、このままだと沈黙で時間を取られそうだからちょっと別方向からアプローチしてみるか・・・)
そしてそんな様子を見たルーク達も内心ですんなり行かないだろうと話していき、ルークは視線をペールの方に向ける。



「・・・なぁペール。ガイが答えにくそうにしてるからお前に聞くけどよ・・・お前はどう考えてんだよ?お前も今のガイみたいに割り切れない気持ちだとかを抱えてるんだろうってのは何となく分かるけど、それでどうしてーとかってのはお前なりにあんのか?」
「っ・・・何故、私にそんなことを・・・?」
「だからガイが答えにくそうにしてるから、ガイの答えを後押しさせるって意味で聞きてーんだよ。ぶっちゃけ今のガイ見てると言いたくないことは言いたくないで済ませてーってのもそうだけど、玉虫色の態度を続けてこっちがどう判断していいかわかんねー状態のまんまにして時間を稼ぎたいって思ってるんじゃねーかって風にも感じるから、お前としちゃどうしたいとかどう思ってるのかを聞けばこっちもだしガイも踏ん切りがつくんじゃねーかってな」
「あぁ、それは確かに必要かもしれないね。何せ私らのアジトで過ごしてきた時も私らの質問に対しちゃ雑談レベルの事にすらほとんど応対してくれなかったからね。大方今の様子も併せて考えると誰かに聞かせたくない事を考えてるからそうなってるんだろうって予想はつくから、きっかけは必要だと思うよ」
「っ・・・」
ルークはそれでペールに胸のうちを明かしてほしいというようにそう考えた理由も併せて口にし、ノワールもその話に同意を示した事に答えに窮してたまらずガイに視線を向けるが・・・
「待て、ガイに答えを求めんな。俺が聞きてーのはペールの考えであって、ガイに合わせる言葉じゃねーんだ」
「えっ・・・!?」
すかさずその行動を制止する意志を込めた言葉を向けるルークに、ペールは驚きに顔を止めてしまった。なんでそんな言葉が出てくるのかもだが、そこまで自身に求めるのかというよう。









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