片隅に追いやられた難事

「・・・んじゃま、積もる話は漆黒の翼達の所でやるか。あんまり待たせても悪いし、言い方は悪いのは承知で言うならガイ達にあまり時間をかけるのはあまり望まれるような状態じゃないからな」
「あぁ、そうだな。その上で少将や漆黒の翼達にはお前達を待つ間に話をしてもらうようには段取りはしてあるから、酒場に着き次第に話せるようにしてある・・・そういうことだから行くぞ」
「あぁ、分かった」
ルークはそんな会話について時間も合わせて先に行ってからにしようと言い、アッシュも早く進められる準備はしていると返した上で三人はケセドニアへと歩き出した。



















・・・そうしてケセドニアに入り、漆黒の翼のアジトのバーに入るとテーブルの椅子に座るガイとペールと、その後ろに漆黒の翼とフリングスが立っている様子を三人は見付けた。
「・・・待ちましたか?」
「気にすることはないさ。こっちはあんたらに少将の体験してきた話についてを話し終わった所だからね」
「・・・話し終わった、ですか。様子を見る限りでは決してよい表情と言えるものではないようですがね」
「「・・・」」
ジェイドはその様子にノワールに向けて話しかけるとちょうど良かったと返していくが、何とも言いがたそうな声と視線を向けられガイとペールは表情を歪ませるしかなかった。
「・・・つーか話を聞いたんならアブソーブゲートで俺達が話したオッサンが言ったことも伝わってるだろ。ガイ、お前の事について色々言ってたことに関してよ」
「・・・それは・・・」
「お前が聞きたいって言ったわけでもねーだろうし、気持ちよくねーって思ったんだろうってのは分かる。けどよ・・・オッサンが言ったことに関してを全否定出来るような感じでもねーからお前もそうだし、ペールもそんな顔をしてんだろ?」
「「っ・・・」」
「当たりか・・・」
ルークがそんな様子を見た上でその理由はこうだろうと口にすると、二人が揃ってまた表情を歪める様子に複雑そうに頭に手を当てる。
「・・・まぁお前らの気持ちに関して俺は否定出来ねーっていうか、オッサンがやったことだからって言ったってファブレに『ルーク』としていた身で復讐の相手じゃあるからな。それにもっと言うなら・・・オッサンっていうお前からしての知り合いであって配下って立場の人物を死なせることになったんだから、俺はお前から復讐される立場になったって言われても仕方ねーとは思っちゃいる」
「仕方無い・・・」
「貴方が今ルークの話にどう思ったかはハッキリとは聞きませんが、少なくとも謡将を止めなければこうしてゆっくりと話なんて出来るような状況では無かったということも加味して考えてください。ティアのように兄が殺されたという所だけを見て、暴走されるのは勘弁してほしいですし・・・もし彼の行動が成功していたなら、こうして我々もですし貴殿方二人が生きているという状況は有り得なかったでしょうからね」
「「っ・・・!」」
そうして自身のやった事実を口にしていくルークにガイの雰囲気が少し緊迫した物に変わりかけた時、ジェイドが口にしたヴァンの行動と自身らと二人の生死についてにペールも含め息を呑んだ。今生きてるのはヴァンを殺して止めたからこそという事実を前にして、単純に怒りを浮かべられる物ではないと突き付けられた事に。









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