片隅に追いやられた難事

・・・そうしてルーク達は数日程ユリアシティに滞在し、住民へと説明をした。この辺りは市長と住民の間での認識の度合いが違ったことで、段階を踏んで色々と説明していったからである。

ただその中で出てきたヴァン達の行動及び計画にその動機について聞かされた住民達は、ショックを受けつつも最終的には事実を受け入れて活動するというようにしていくとなった・・・やはりというかユリアシティの住民として暮らしていて普通にしていたヴァンが、裏にまさかの顔を隠しながら接してきたことやもしかしたなら自分達を殺しにかかって来たのではないかという可能性を知らされたことが大きかっただろう。

しかしそれでもヴァンや預言の事が信じられないといったように言うだったりする者達がいた為、数日と言う時間がかかったのである。






「・・・では我々はアッシュ達と合流して会談についての日取りについてはどうなのかを決めてまいります」
「それはいいんですが、その・・・ガイは・・・」
「そこについてはもうイオンは気にせずユリアシティをまとめることに集中しとけ・・・俺らも分かっちゃいるが、どうしたっていい予感なんかしねーから覚悟は出来てっしミュウもお前に預けるってジェイドが判断したんだからな」
「ルーク・・・」
「んじゃ・・・行くわ。」
・・・ユリアシティの広場に止めたアルビオールの前にて。
アルビオールに乗り込もうとするルークとジェイドにアニスが横にいる状態で不安げに話し掛けるが、そんなイオンとは対照的に二人は然程表情を変えずにアルビオールに乗っていく。


















・・・そうして二人を乗せたアルビオールはケセドニアへと飛んでいった。道中で特に会話を交わすこともなく、重い空気の中で。

それで二人を乗せたアルビオールがケセドニア付近まで来ると、アッシュ達を乗せたアルビオールが見えたことからその付近へとルーク達も降り立った。






「・・・来たか」
「・・・アッシュ一人か?」
「少将には先にペールを連れて漆黒の翼の元に行くように頼んだ。お前達を待つのは色々な意味で俺の方がいいだろうと見てな」
「あぁ、そういうことか・・・」
・・・そうして並び立つアルビオールを横にしてルーク達とアッシュは話し合うのだが、アッシュからの返答にルークは納得する。今の話の中身からもうガイはノワール達の元にいて、アッシュと長い間同じ場に共にいるのはよろしくないと判断したのだろうと。
「・・・そこに関してはともかくとして、ファブレから連れ出すのはうまくいったのですね?」
「あぁ・・・バチカルで話し合いが終わった後、一度ファブレに戻りたいと話をして屋敷に入った。それで母上などに話をしていく傍らでペールを見付け、秘密裏にガイの事について話をしていき・・・ケセドニアに俺と共に行くと言ったんだ。まぁケセドニアに付いてこなければ、もうガイには別れを告げることもないまま終わることになる可能性が高いというように言ったことは悪いとは思うがな」
「それで断ったらどうなるか分からないと思ったから、彼は貴方に付いてきたということですか」
「脅迫紛いな事をしたと思うが、それくらいでなければペールは付いてこないと見たからな」
続けてジェイドがペールを連れてこれた経緯についてを問うと、アッシュは脅迫めいた言葉を使ったことにこれくらいは当然というよう返す。









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