片隅に追いやられた難事

「・・・取り敢えずその辺りに関してはガイには伝えないようにしておいてください。沈黙を保ったままの状態なのでガイが我々がガルディオスの事についてを知ったと考えている可能性も無いとは言えませんから、下手にそこについてを伝えた場合何を仕出かすか分からなくなる可能性が高くなりますからね」
「・・・まぁ仕方無いね、そこは。ただあれもいきなりまたケセドニアに呼び出されるんだから何かしら察されて妙なことを起こされたら、こっちで対処はさせてもらうよ」
「そこはそちらにお任せしますよ。そちらの善意でここまで協力していただいているのに、もしもの事態になってしまっては申し訳ありませんからね」
そんな話の流れに一先ずはそこまでというように制止をかけるジェイドにノワールはもしもの場合についてを口にし、その時は仕方無いと返す。ガイが凶行を行う可能性は決して否定は出来ないなら、殺すのはやむを得ないと。
「・・・ちょいと話が長くなっちゃったね。取り敢えずもう話はこの辺りにして次に行くとこに行きなよ。首脳会談をやるってんならマルクトはともかくキムラスカにダアトは色々と込み入った話になって時間を取るだろうから、多分用事を済ませて戻ってくるくらいでいいくらいには戻れるだろうからね」
「そうですね。ではそろそろ行きましょうか」
それでノワールがここでの話を収めるようにしようと切り出し、ジェイドが頷き三人は酒場を後にしていく。






・・・そうして酒場を出た三人だが、真っ直ぐケセドニアを出るのではなく街角の人気のない一角で立ち止まった。
「・・・正直、ガイもティアみたいになりそうだな・・・」
「予想は出来るが、もうそれは実際に会ってからにすると言いたいが・・・今後の事を考えて俺はバチカルに戻ったなら、ペールを連れ出せるようにしようと思っている。ルークも含めてファブレに戻る時間がなかった以上、ペールも今はかなりヤキモキしているだろうからな」
「まぁそうですね。それに我々の行動は流石に全部とは言わずともある程度はファブレ内にも伝わっているでしょうから、ガイが戻ってこないのは何故だと思って行動を起こす可能性も無いとは言えませんからね」
「・・・ただ問題として挙がるのは、ガイの様子や発言にペールがどう反応するかなんだよな・・・前のようだったらまだ何とかっていうか穏やかにファブレを去ってくれたけど、今回はガイの性格が違うせいもあって予想がつきにくいし・・・」
「「・・・」」
そこで話題に挙がるのはガイについてもだがそのガイに付いていた従者のペールについてであり、ルークの不安そうな声に二人も少し難しそうに眉間にシワを寄せる。反応が予想しにくいのは確かに分かると。
「・・・その辺りにも考慮してペールにはガイの事を話してみる。だがその時点で連れていって大丈夫だと判断出来なかったり、もし凶行に及んでくるような事をしてくるなら俺が責任を持って対処する。だから俺に任せろ」
「・・・分かった。今の時点じゃアッシュに任せるしかないからな」
だがその解決策はアッシュが動くしかない・・・そうアッシュ自身が覚悟を決めたように口にする様子に、ルークもだが真剣にジェイドも頷き返した。下手に介入の手を増やしてもいいことになるとは限らないからと。









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