片隅に追いやられた難事

「・・・まぁなんつーか微妙な気持ちになんのはわかんだけど、そこに関しちゃちょい抑えて話をしてほしいんだけど・・・いつくらいにガイはこっちに来れるか分かるか?」
「あぁ、すまないね・・・と言ってもそんなに時間はかからないと思うよ。少なくともどんな遅くても一週間の内には来るだろうさ」
「ってことはちょっとバチカルやダアトで時間使ってたら丁度いいくらいってことか」
「ん?あんたら、この後どうするんだい?バチカルにダアトってさ」
「あぁ、そうか。そこについても話しとくか。近い内に色々と動くことになるからよ」
「そうですね。話しておきましょうか」
ルークがその様子に話題を変えるように話を振るとノワールも気を取り直して返していくのだが、その中身に疑問を持ったことにあぁとジェイドに視線を向けて確認をすると頷きと共に話を始める。首脳会談を進める予定についてを。




















「・・・成程ねぇ・・・そういった流れなら確かに首脳会談をするのは必要と言えるだろうね・・・」
・・・それで一連の流れについてを説明し終えた所でノワールも深く納得する様子を浮かべるが、途端に眉を寄せる。
「・・・ねぇ、あんたらあの男に関してを甘く見る気はあるのかい?」
「その質問の意味が彼についてを甘く見てほしいという意味で言っているのなら、そうはしませんよ。むしろそうしろと言われたら、協力してもらってはいるのは承知で貴女を軽蔑するところです」
「そんなことは言いはしないさ・・・こっちとしちゃむしろ多少救いがある程度なら、見放すくらいの気持ちであの男を判断してほしいのさ。私はここに大体いたからあの男と話す事は無かったけど、連絡は受けてたんだよ・・・あの男がどんな風に暮らしてたのかってさ」
「・・・どんな暮らしをしているんだ?」
そこで真剣に向けてきた問いにジェイドはそんなつもりはないと言いつつ逆に問い返すのだが、その声に首を横に振りつつ答えた中での暮らしについて出たことにアッシュが神妙に先を促す。
「・・・どうもこうもないさ。こっちの質問にはほとんどだんまりだってのに、向こうは現在の状況ってヤツの情報ばかりを求めてきてたみたいなんだよ。それもあんたらもそうだし、謡将達に関しての情報ばかりだ。大方それを聞いて色々と考えたいって思ってたんだろうが、こっちとしちゃあんたらから今さっき聞いたばっかりの情報ばかりだった事を欠片でも伝えられる訳ないからね・・・そんなだから情報はないって言ったら少し会話してはいまただんまり、だって様子だったそうだよ」
「・・・その辺りは前からも思っていたが、ティア以上に秘密主義なようだな。と言っても必要以上に言葉を交わそうとしない辺り、やはり本音は誰にも明かしたくはないとしか見えんな」
「私もそれは感じるというより、一人で悶々と考えている辺りにファブレへの復讐を諦めるなんて事は選択肢にはあっても、そうしようなんて考えにはならないんだろうさ」
「・・・多分そこにもう一つ合わせて言うなら、ガルディオスの生き残りだってまだ明らかになってないって希望を持ってるって部分が否定出来なさそうなんだよな・・・まだ明らかになってるのはホドの生き残りだって事だけだから、どうにかなるんじゃないかみたいに考えてるんじゃないかってな」
「あぁ、そう言えば確かにその辺りはここから連れ出す際にはガルディオスだとはハッキリとは出てきてなかったね・・・」
ノワールは肩を竦めながらガイについてを話してアッシュも少し呆れたようになる中、ルークが口にしたもしかしての推測に言われてみればというように力なく納得する。ガルディオスだとバレてないという、頼りないながらも最後の希望の糸を見出だしてるのではと。









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