様々な決着

・・・そうして一同はケテルブルクを出て、アルビオールでグランコクマに向かった。

















「・・・そうか・・・それで謡将一派は壊滅の一途を辿った上で、ティアはジェイドに攻撃した事からそうなったのか・・・」
「・・・どう思われましたか、陛下?」
・・・そうして辿り着いたグランコクマの謁見の間にて。
他に聞かせないようにと人払いをした後に一連の流れに関してを聞き終わったピオニーが少し考え込むような素振りを見せる姿に、ジェイドがその気持ちの程についてを問い掛ける。
「・・・シンクと導師の事実については意外ではあったが、それでも今後の事を考えれば導師の事実を明らかにしない方がいい・・・と言いたいところだが、もしもの事を考えればこの事実を明らかにすることも考えた方がいいかもしれんと俺は思う」
「事実を、明らかに・・・どういうこと、ですか・・・!?」
そんなピオニーが口を開くのだがそこで出てきた考えについてに、イオンがどういうことかと驚愕しながら尋ねてきた。まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかったのだろう。
「落ち着け。俺としてはあくまで最終手段としてそうすることも考えるべきではと考え、そう言っているんだ」
「最終手段・・・?」
「そうだ。これからの事を考えるならダアトは預言の中身もあって、いずれ預言に頼ることを止めざるを得ない状況にしていかねばならんだろう。第七譜石の中身が中身なだけに都合の悪い物だけは避けて、都合のいいものは頼るようになどというのは望ましくないとな。しかし今まで預言によって支えられてきたといっても過言ではないローレライ教団や、その教団や預言を信じてきた信者の数はダアトの内外問わずに多々存在する・・・一応預言保守派にモースのやってきたことについてを明かしていけば多数の信者は離れていくのは想像は出来るが、それでも一定の数の信者達はそういった動きを取るだろう。だからそういった信者をどうにかするという意味合いから被験者の導師の死と導師がレプリカであることを明かすのも、決して悪くない手段ではないかと思っているんだ」
「っ!・・・そうすればモースのやったことについて印象を更に悪く出来ると同時に、被験者のイオンが本当はもういないなら信者は離れることになるだろう為、預言を詠む環境が続くことを望む人々が後を断たないならそうした方がいいのでは・・・とのことですか・・・」
「そういうことだ」
ピオニーはそこであくまで緊急の措置の為といった発案であることを口にし、イオンもまた苦々しそうながらもその中身に理解をした。確かに効果の程は少なからず見込めそうだと。



(あ~・・・ピオニー陛下の言葉は今の状況だと決して否定出来ないかもな・・・もう師匠達は倒してしまってるし、モースもいなくなってるから預言を残したいって気持ちを持つ人達は確実に多く残るだろうし、一度目に師匠達を倒した後は多くの人達が預言の復活を望んでシンクの声に引っ掛かってたしな・・・)
(『あぁ・・・そういった声や希望をどうにかするって意味でも、冷や水浴びせるって感じにイオンの事を言った方がいいってことか・・・』)
そしてルーク達も内心でそれが効果があることは確かであると共に、むしろ黙らない方がいいのではとすら話し合う。人々の意識的に考えてみればそれくらいはやった方がいいだろうと。









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