様々な決着

「・・・ま、いいさ。次は僕の番だ。やるなら早くしてよ」
「・・・一応最後に聞きますが、今なら降伏すれば命の保証はしますよ?」
「そんなことしないよ。むしろ回復してきたらその時点であんたらに襲い掛かってやるからね」
「・・・決意は変わらないようですね」
そんな中でシンクがさっさと止めをと口にしたことにジェイドは確認を向けるが、皮肉げな笑みで返すその中身にすぐに頷き返した。シンクはもう思い直す事はないのだと。
「・・・すみません、ルーク。槍を返してください」
「・・・あぁ」
ジェイドはそこでルークに視線と手を向け、その様子にルークも何が起きるか理解したというように緊迫した空気で槍を返す。
「・・・では一瞬の我慢です」
「あぁ・・・」
そうしてジェイドはシンクに槍と言葉を向け、その言葉にそっとシンクは目を閉じる。



‘ズブッ’



・・・そして次にジェイドはシンクの胸に槍を突き刺し、シンクは痛みに苦悶した表情を見せた少し後に何も言わずに音素となって場から姿を消してしまった。
「・・・何か、正直こんな事になるとは思ってなかったよ・・・」
「・・・まぁそれは、私もそうですよ。シンクの事もそうですし、何よりティアの事はやはり予測など出来ませんでしたからね・・・」
・・・そうして兵士達はいるものの、二人の空気を滲ませながらルークとジェイドは会話をかわす。予想外な出来事ばかりでどちらも何とも言えない気持ちを抱きながら、ヴァンとティアの二人の死体を見る形で。
「・・・取り敢えず戻るか。向こうも向こうでラジエイトゲートでの操作を同時に済ませたってのはあの表示の所を見てて分かったし、場所的にこっちが近いって言っても遅くなりすぎても良くないだろうからな」
「そうですね・・・では行きましょうか」
それでルークが仕方無いと戻るように切り出したことにジェイドも頷き、二人と兵士達は場を後にしていく。グランツ兄妹の死体に関してもう話題に触れることなく・・・



















・・・そうして二人と兵士達はアブソーブゲートを後にしてアルビオールに乗り込んだのだが、起きたことがことなだけに空気が重くなりろくな会話などあるはずもなくずっと沈黙が場を支配していた。そしてその間『ルーク』との会話もルークは行うことはなかった。ルークから話し掛けることもだが、『ルーク』も何か言うこともなくだ。ここはやはりどちらにとってもあまりにも衝撃的であったからであるだろう。

ただアルビオール自体はギンジが運転に集中していた為に特に止まることなく、ルーク達をケテルブルクへと送り届けた。そして程無くしてアッシュ達もケテルブルクに戻ってきたところで、ルーク達はイオン達の元に行きアブソーブゲートで何が起こったかの説明を行った・・・



「・・・ということです」
「・・・えっと・・・ティアにシンクはまだ何か、理解出来るんですけど・・・イオン様がレプリカだったなんて・・・」
「・・・信じがたいとは思いますが、それは間違いなく事実です。そして理由に関しましては二人がシンクから話された通りになります」
「そ、そんな・・・」
・・・そうして宿にてアブソーブゲートであったことについてを話し終えたジェイドにアニスが唖然とするが、イオンが重く肯定を返したことにより唖然とした様子を浮かべる。









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