様々な決着

「言っておきますが、貴女の都合のいい言葉を聞くつもりはありません。本来なら貴女の事はもう我々からして信用ならないから殺しても構わないというところですが、それでもそうしない選択肢を提示しているだけ破格の物だと言えるレベルです。それなのに自分はこうしたいからこれはどうにか譲ってくれと言うのは都合が良すぎますし、貴女は我慢しているつもりかもしれませんが我々から言わせればこの条件にすら我慢が出来ないと言うのなら、貴女を信用出来る材料や理由などどこにもありません」
「そ、それは・・・」
「後、もしシンクを殺さないと選択したとしてもなら我々を謡将の仇だと狙ってこられるような事をされた時の防護策は取らせていただきます。具体的に言わせてもらうならもしそういった事態を起こしてきた場合は貴女の事はどのように命乞いをしてこようが確実に貴女を殺すようにしますし、もし仮にそれが成功したとしても我々はその時にはキムラスカやマルクトに戻っているであろう時になります。ですのでもし片方が殺されるような事になれば、貴女の事は即座に指名手配にかけるように手続きをさせるようにします」
「なっ・・・!?」
更にジェイドは条件に妥協はしないこともだがもしもの裏切りについても口にしたことに、ティアは思わず目を丸くした。
「そこまでするのかという気持ちになっているのは見え見えですが、これくらいはむしろ貴女を見逃すと言う点で考えるなら当然です。それに言ってしまえばこれくらいやられるとなれば、貴女なら十分に行動出来なくなると見越してですよ」
「っ・・・!」
その反応の理由を推測しつつこうするのは当然というようにジェイドは口にするが、その話の中身もだが馬鹿にするような含み笑いを見てティアは歯を噛み締める。明らかにそんな死ぬ可能性の高いという問題を振り切ってまでの行動は出来ないだろうと見越されたことに。
「・・・おや、ルークが向こうでは操作を終えた様子ですね・・・さぁ、こちらとしてももうあまり時間をかけていられません。ですのでシンクが回復して動き出す前にもそろそろ選んでください、どうするのかについてを」
「っ・・・!」
そんな時に外殻大地の降下の感覚及びルークが両手を降ろしたのを確認したジェイドが最後だとばかりに選択をするように告げると、ティアは最大に苦悩するというように表情をクシャクシャに歪ませた。どちらを選択するかというよりは、シンクまでならともかく叶いもしない復讐のために命を賭けられるのかというよう。



(『・・・どうすると思う、ティア?』)
(・・・何となくこっちを選ぶだろうなって予感はあるよ)
・・・そんな二人の会話を聞きつつ戻ってくるルークは『ルーク』の声に答えつつ、目の前の二人の様子に注目する。
「・・・あぁぁぁっ!」
「おっと」
(・・・やっぱりシンクの時同様、行動爆発を起こしたか・・・さっきのシンクの時もこんな感じになったしな・・・)
だがそんな時に何か憑依したかのような顔になって叫び声を上げ、ティアは杖をジェイドに振り抜く・・・のだが、あっさりジェイドは距離を取りその一撃を避けた。そして予想通りとルークは内心で思う・・・一度爆発した上で追い詰められた以上、もうティアがこうなるだろうと予想が出来ていたと。









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