様々な決着

「・・・容赦ありませんね。まぁその方がこちらとしてはハッキリ死んだと認識出来る分にはありがたいですが」
「ハハ・・・そりゃね。僕からしたら満願が叶うってんだから、討ち漏らしがないように確実にいかなきゃいけないだろ?」
ジェイドは眼鏡に手を当てその行動に躊躇いが無かったことを指摘すると、首元から足をどけ当然のことだと心底から愉快そうな笑みをシンクは浮かべる。
「にい、さん・・・兄さん・・・!」
「・・・あぁ、うるさいな。折角いい気分に浸っているって時に・・・いや、こうして兄を殺したんだから妹も僕の手で仲良く殺してあげるのが手向けだったり優しさだったりするのかな?」
「ひっ・・・!」
だが足元で泣き声を漏らすティアにシンクは不愉快だと表情を変えるが、すぐに冷たい笑みを浮かばせ殺す事を口にするとたまらずティアは恐怖におののきひきつった息を漏らす。
「待てよ」
「ん?何だい?この女を助けようっていうのかな?見たところあんたらとこの女と仲良くなんてないだろうし、止める義理もないんじゃないかい?」
だがルークがそこで声をかけてきた事にシンクは首を傾げる。止める理由なんて無いはずだと。
「確かに今までの旅の事を考えりゃ助ける義理はねーけど、こっちはそれなりに急いでんだ・・・だからお前の境遇には同情は出来るけど、もうさっさとお前を倒させてもらうぞ」
「ハッ、そういうことか・・・まぁいいよ、一番殺したかった相手は殺せたんだ。こんな女の事は別にいいさ・・・じゃあ、行くよ!」
だがルークは助けるではなくこちらの時間の都合だからと簡単でいてこだわりではないと告げると、シンクも納得した上であっさりティアの事を切り捨て・・・ルークへと敵意を浮かばせ、走り出した。



(・・・これで一応ティアから引き剥がせたけど、後は本当にどうなるかな・・・)
対してルークは心中でティアを生かすことに成功したと思いつつ、今の状態からどうなるか分からないと思いながらシンクと激突する・・・


















・・・そうしてシンクとの戦いが始まった訳であるが、シンクが自身で言ったようにルーク達が優勢なままに戦いは進んで、数分後にはシンクは全身を傷だらけにして床に倒れこんでしまっていた。



「・・・ハハ、予想はしていたけどこうまであっさりやられるともう怒りなんて湧かないね・・・」
それで立つ力もなく大の字で床に寝転びながらシンクは力無い笑い声を漏らす。負けたことに対する恨みなど一切無いというよう。
「すみません、ルーク。シンクはもう動けないでしょうから、貴方はパッセージリングの操作をお願いします。ここに来てから結構時間を使っていますので、そろそろこちらが操作しなければアッシュ達も不安に思う頃でしょう」
「あぁ、分かった」
そんな様子にジェイドがルークに操作に集中するようにと言い、ルークもまた頷いて操作盤の方へと向かう。
「・・・くっ・・・よ、よくも兄さんを・・・!」
だがそこでようやくまだ痛みに顔をしかめながらも戦いの場から離れた所から立ち上がったティアは、怒りを滲ませながらシンクへとよたよたした足取りで近付いていく。
「・・・ハハ、いいよ。やるならやりな。もう僕に抵抗する力なんか残ってないから、好きにしたらいい」
「言われなくても・・・!」
「待ちなさい、ティア」
「止めるんですか、兄さんの仇なのに・・・!」
そうしてシンクの前に立ち力無い笑いを浮かべられティアは杖を握るが、そこに近付いたジェイドがその杖を掴んで来たことに敵意を込めてティアは睨み付ける。
「止めるつもりはありませんし、シンクも今更ここで捕縛だけに留められ生き永らえるなど望んではいないでしょう。ただシンクを殺す前に質問をしたいだけです・・・そうして仇を取ったなら、貴女はこれから何をするつもりなんですか?」
「・・・何、を・・・?」
そんな様子に臆する事なくジェイドは質問を投げ掛けると口にするのだが、その中身にティアはどういうことかと怪訝そうな表情を浮かばせた。どういった意図からの質問なのか分からないというよう。









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