様々な決着

「・・・当たりってとこか、そのリアクション」
「っ、黙れレプリカ!」
「おーおー、怒るってことは俺の言ったことが間違いじゃねーっていうかティアには聞かせたくなかったってとこか?まぁそりゃ当然だろうな・・・オッサンからしたなら妹が自分の為に行動をしてるってことだけど、裏を返したらそれ以外の気持ちが薄いってことになる。そしてそれは兄って立場からしたら嬉しいものだって思うかもしれねーけど、兵士として見るには色々と不安だったりってもんが出てくるとも思う・・・だからオッサンとしちゃ神託の盾にいさせ続けるより、自分の元にいさせることで兵士って立場から引き剥がそうとしたんじゃねーのか?兵士としての限界ってヤツをティアが感じるずっと前から兄として感じるって形でな。けどそれをティア本人に言えばそんなことないって意地になるだろう以上に、兵士として役に立たないって認めるようなもんだって事だから何も言うつもりもなかったんだろ?」
「っ!?」
ルークはその様子についてを指摘するとヴァンから抑えてはいるが怒声が返ってきて、そこから更に掘り下げた中身を次々投げ掛けるよう口にしていくとティアは顔色を青くして息を詰まらせた・・・ルークの言う通りならティアからすれば、ヴァンから見たなら自分が役立たずであると見られていたという話になるためだ。
「黙れと言っているだろうレプリカァッ!」
‘・・・ギィンッ!’
「っと・・・!」
そんなティアの反応を見てかヴァンは怒りを隠す事もせずに剣を抜きルークに振りかぶって斬りかかるが、ルークも剣を抜いてその一撃を危なげなく受け止めた。



(『あー・・・この様子だと今言ったことって当たってたって感じか・・・オッサンからしたらティアに引き際を与えようとしてたってことなんだな。ティアからしたなら色々と不本意だろうってことを隠しつつ、それでいて妹を気遣うっつーか・・・本音を言わないようにしてたんだろうな・・・』)
それで剣を押し合う緊迫した空気が漂う中で『ルーク』はルークの言うことが間違ってなかったのだと確信する。ヴァンの本音としてティアに対して妹として愛情はあるのだが、兵士としてだったり自分の目的の為に役に立つ人材だとは思っていないという部分を持っていて・・・それを言うのを避けていたのだと。
(『ただこれがどっちの兄妹にも当てはまるのかもそうだけど、ティアの教官だったっていうリグレットはティアの事を気にかけてたのは、兵士として立派になってくれるって信じてたからなのか?それともオッサンの妹で教官を任されたってことから、情が芽生えて気にかけるようになったってくらいなのか・・・まぁリグレットが生きてても答えてくれるとは思えねーけど、どっちかっつったら情が芽生えたからその気持ちが強いってのが有り得そうなんだよな。敵対関係になってもやたらとティアに関しては気にかけてた事を考えるとな』)
それで更に『ルーク』はリグレットの事についてを考えていく中で、どちらの方も言い方は悪いが情で目が曇った部分があるのではと感じていた。関わりが出来て関係が作られたからこそ兵士としては表向きはともかく心根は向いていないティアに対し、それでも時間をかければ立派な兵士として成長してくれるといったような期待をかけたのではと。
(『っと、そんなこと考えてる内に事態は進みそうだな・・・!』)
だがそこで『ルーク』は深まりそうだった思考を切り替え、目の前のヴァンに集中させる。剣の押し合いに見切りをつけ、一度バックステップで距離を取り殺気を込めた目を向けてくるその姿を見て。









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