様々な決着

「結局の所として、あの方からしたなら復讐を認められる・・・認めてくれる環境が欲しいと見たのです。確かにあの方はファブレへの復讐を為し遂げたいという気持ちは持ち合わせていましたが、それを為し遂げるためにガイラルディア様が私の手を絶対に借りねばならなかったのかと言えばそれは違うでしょう。私も謡将としての立場がありましたから常からファブレに常駐出来る訳ではなかったので確実とは言えませんが、それでも私抜きでもガイラルディア様が復讐を果たせる好機というものはあったでしょうし、何なら好機を待つだけではなく作り出せるだけの手立てもあの方は考えていなかった訳ではなかったでしょうからね」
「ですがそういったことはせずに、貴方の手助けを待って事を為そうとした・・・それは貴方の制止があったからというもあるが、自身のみでそれをやってしまえば誰かがそれを認めてくれるというか、自分のガルディオスとしての復帰の後押しをちゃんとしてくれるのか・・・という気持ちがあったと貴方は見たのですね」
「えぇ、そうです・・・最初はガイラルディア様がいつ爆発するか分からないと言うように警戒していましたし、だからこそアッシュとそこのレプリカとの入れ換えを急ぎたいと思っていました。そして入れ換えが出来た時点で私からしての最悪の事態を避けられたと正直安堵したものですが、そうして安堵からの余裕が出来たからこそ・・・今話に出てきたような節があると考えるようになっていったのですよ。そしてだからこそ私の計画にあの方は賛同しないと思い、見放すことにしようと決めたのです」
「・・・ガルディオスの復興が出来たかどうかはさておきとして、その復興の先であるマルクトが滅びていたり自分の領土の民となる者達からの賛辞の声がない・・・あるのは復讐を果たしたという達成感というだけではガイは納得しないと見た、ですか・・・貴方の造る世界でガルディオスを復興させても本当の意味での復興ではないと考えるだろう、と」
「そういうことです・・・」
そこからいかにヴァンがガイに対してどのような考えを抱き、判断したのか・・・それらをジェイドは受け答えする中で引き出していき、ヴァンは疲れたように目を閉じて頷いた。気持ちは無くなった訳ではないが、かといってガイの望みを叶えるわけにはヴァンの立場からは出来ないと見たから見捨てた胸の内を語り終えたというよう。



(『・・・なんか思ったより単純じゃなかったな、今の話・・・』)
(俺もそう思ったけど言ってることは納得出来たし、少なくともこっちのガイがこっちに付くこともあったって理由についちゃこれかって思ったんだ。ガルディオスの復興を餌っていう言い方は悪いけど、それで取引したんじゃないかってな)
(『あー・・・そっちの方じゃ流れ的になし崩しにガルディオスに戻れることになったんだろうけど、あのガイの様子の感じに今の話からしてそうでも言わなかったらこっちに付かなかったのは予想はつくな・・・ただそれでファブレや俺にアッシュへの復讐をどうするかって所だったんだろうけど、そこはこっちの負けか相討ちで終わりって事だからその先は無かったんだよな・・・』)
(その辺りは後でにするか、見ないようにしようとかってこっちのジェイドが考えてた可能性はあると思うな・・・戦力が少ないこっちの戦力アップと向こうの戦力ダウンを狙うには後の事は一先ずって形でさ)
(『あー・・・オッサンを倒すのに形振り構わずやるしかなかったってことか・・・』)
ルーク達はそんな光景を見ながらいかにガイがこちら側についたのかについての予測を話していき、『ルーク』はその後先を見据えないような中身が出てきたことに脱力した声を漏らした。実際にそれくらいこちら側が追い詰められていたからこそ、色々と余裕が無かったことが予想がついたことに。









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