様々な決着

「まぁそこについては容易に想像出来ていましたよ。でなければ六神将を待ち伏せに置くこともそうですが、何よりこのアブソーブゲート以外を崩落させる必要もない。ただ強いて言うなら・・・貴方にとっての誤算はアッシュもそうですが、ルークにかけていたのであろう暗示が予定通りに発動しない事から始まる予定外の流れに我々を捕まえられなかったから、計画を変更してこのようにした・・・といった所でしょうね」
「その通りですよ、カーティス大佐。私としては出来ることならロニール雪山にてシンク達が貴殿方を倒したなら計画の修正は出来ると思い派遣したのですが、あの三人で駄目だったとなったならばこその最終的な保険としてこうしたのです」
「「っ・・・」」
ただジェイドはそんな事については予想をしていたと共に誤算についてを投げ掛けると、ヴァンは歪んだ笑みを浮かべ肯定しつつ返答を返していくのだが・・・ルークとジェイドの二人はその中身のとある部分に揃って眉間にシワを寄せた。
「どうしてなの兄さん!?どうしてそんなことをするの!?」
「・・・理由を聞きたいか、ティア。ならば話してやろう。何故私がこうして行動を起こしたのかをな・・・」
だがそんな二人の変化に気付くこともなく、今までの無愛想に鉄面皮ぶりがどこに消えたのかというよう声を荒らげ辛そうな顔を浮かばせるティアに、妹相手だからか気持ちを落ち着かせた微笑を浮かべてポツリと口にしていく。自身の体験してきたこと及び、計画についてを考えるに至った経緯とその想いを・・・


















「・・・ということだ」
「そ、そんな・・・」
・・・ホドで何があったか、ユリアシティで暮らしていく内に何を感じるようになったのか、そしてどう行動を起こしていったのか。
全てとは言わずとも要点を押さえながら話をしていったヴァンは話を締め括らせ、ティアはその中身に絶句といったように表情を青くした。兄がそこまでの体験をしていたなどと直に話を聞くまで、一切予期もしていなかったというよう。
「・・・成程。貴方がそういった理由から行動を起こしたのは分かりましたが、ガイに言うことを聞かせるようにしなかったのは彼の性格やら考え方からですか?」
「・・・何故そこでガイの事が出るのですか?」
「しらばっくれても意味ねーぞ、オッサン。ガイがガルディオスの生き残りだって言うのはほぼ間違いねーってのは確定してんだ。まぁそう知る前にガイが色々怪しいし何も言わねーってことから、あいつを外してここまで来たんだよ」
「っ・・・成程、ガイラルディア様の事も知ったと言う訳か・・・」
ただティアと対照的に冷静なジェイドのガイに関する追求とルークの追撃に、首を傾げたヴァンは一本取られたとばかりに苦笑を浮かべた。
「・・・まぁいい。確かにその通りガイラルディア様はガルディオスの生き残りだ。その事は認めよう」
「貴方の言質はいただきました。この事はいずれ来るガイとの再びの会合の際に突き付けさせていただきますが、ならばこそ私の質問はどうだったのですか?」
「・・・えぇ、認めます。ガイラルディア様に私の計画を話して賛同して行動をしてもらおうとした所で、あの方の主導でも付き従える形を取れたとしてもこちらの言うようにしてくれなかっただろうと考えたことは・・・」
そしてそのまま頷いて肯定を返すヴァンにジェイドが再度確認を向けると、何とも言い難い空気を滲ませながら再び肯定を返した。









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