様々な決着

・・・アルビオールにてアブソーブゲートに向かうルーク達。そんなルーク達の雰囲気は決して悪くも良くもない物であった。






「・・・兄さん・・・」
「「・・・」」
・・・一人座席に座りながら兄に対する想いを滲ませ、そっと複雑そうに呟くティア。端から見たならいかにもティアが物憂げなヒロインと見れるような光景に思えるだろうが、並んで座るルークにジェイドは全く反応することも視線を向けることすらもなく前を向いていた。
(『・・・兵士に向いていないから辞めろとかその事に関しちゃ全く考えてねーよな、声の感じだと』)
(単純にもうすぐ師匠に会えるってだけしかないだろうな・・・)
しかしその心中ではルーク達は会話を交わしていた。懲りてないというか、周りが見えていないといったようなその様子になんとも言い切れない様子で。
(『つーかそっちの方のティアもそうだけど、オッサンを言葉で止められたなら今までやったことは罪もなんもかんも全部吹き飛んでチャラだとでも思ってんじゃねーのか?自分達はユリアの子孫だからとか、それこそ自分が言うならチャラになるだとかそうならないなら自分がそうするってよ』)
(ん~・・・こっちの方のティアに関しては無いとは言い切れないというかマジでそうしそうだけど、俺達がいた方だと・・・・・・全く有り得ないとは言い切れない感じがするのがなんか嫌だな・・・)
そういった中でふと『ルーク』から口にされた仮定の言葉に、ルークは否定の言葉が出てこず苦い言葉を漏らすしかなかった・・・今となって思い返せばティアの言葉でヴァンが引いたなら、それこそティアがそれでヴァンを無罪の方向に進ませようとしていた可能性も無いとは言い切れないのではないかと。
(『実際はんなことになんねーだろうってのは今の俺なら多少はわかんだよ。けどティアに関しちゃどっちの方も悪いって認めたんだから・・・で通したいみたいなことしそうだって思ったんだよ。多分こっちのオッサンもそんなことなんかしねーだろうししたならしたで下心ありだろうけど、そんなことなんか嘘だろうとか思わないって思うんだよな』)
(あ~・・・前歴があるからな。カイツールでそうじゃないって真剣な風に話されたら、今までの疑いが一気に晴れたみたいに敵視してた態度が変わったし・・・)
更にティアがヴァンに対していかな行動をしそうなのかを言葉にされ、ルークはまたも苦い様子で漏らすしかなかった。ヴァンの事が好きだからこそ騙されるし、信じたいと思うからこそヴァンに対しての目の曇りかたに情が出る前歴を知っているから否定出来ないと。
(『・・・まぁ分かっちゃいたことだけど、確実に兄さん止めてこんなことみたいな言葉から説得しようとすんのが目に見えてるな・・・そして戦うって段になったらどうするのかって所だけど・・・』)
(・・・その辺りは本当にどっちに傾くかは読めないけど、もうそうなったらそうなったで済ませるしかないからな・・・)
だからこそどうなるか分からない・・・二人はそう会話していく。もしもの時は敵対することについては覚悟は出来ていると・・・


















・・・そんな風にルーク達が何とも言い難い気持ちを抱く中でアルビオールは進んでいき、アブソーブゲートへと辿り着いた。









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