見えてくる未来の分かれ道

「・・・まぁ今すぐに判断するようにとは言いません。一応今日はここに鋭気を養うために泊まるようにして早朝に出発するようにしますから、その時までにどうするかを決めてください。いいですね?」
「っ・・・分かりました・・・」
それで明日までに決めるようにと告げるジェイドに、ティアは苦々しげながらも頷くしかなかった。大方時間が欲しいとかそういった気持ちはあるのだろうが、パッセージリングに表示された文の中に出てきた物から時間はさして残ってない事も知らされているからこそ明日までが精々ギリギリなのだと・・・



















・・・それで以降はどういった風な組分けをするかという話し合いになり、アブソーブゲートにはルークとジェイドが行ってラジエイトゲートにはアッシュとフリングスが行くことになって、兵士がそれぞれに付随することになった。これは一応どちらにもヴァンがいる可能性が否定出来ないということから、戦力を二つに分けるならこれが妥当だという話になったためである。

それでそういったような話し合いが終わり、一同は残りの時間を休憩に使うようにとなった上で出発まではミュウは何かイオンに異変が起きたなら知らせてほしいとジェイドが預ける形で離す事が出来、三人の形で話す体勢を作った。



「・・・さて、あんなことを言ったがティアはどうすると思う?」
「十中八九などとは言わず、間違いなくこちらに来たいと言い出すのは目に見えています。それでもあのようなことを言ったのは最後の親切心といった意味合いからです・・・謡将は貴女だけに甘いわけではないということと、謡将に対してこちらも甘く行くわけにはいかないという二重の意味合いのね」
「ティアからしたら言ってくださいって話になるだろうけど、言ったら言ったで兄さんを殺さないでくださいになるのが目に見えてるからな・・・」
三人になった所でアッシュが早速というようティアについての発言に関してを聞き、その理由を淡々と語るジェイドにルークもあぁというように脱力する。ハッキリ言葉にしたならティアが考えを放棄してしまうだろうと。
「そこについてはもう今更ですから構わないでしょう。今言ったように私からしての最後の親切心ですから、それを振り切るというならそれはそれとします・・・ただ今の我々にとっての不安要素はまた別にあります」
「シンク、だな?」
「えぇ、そうです」
ジェイドはティアについてはさておきと不安要素との言葉を口にし、アッシュが理解したと目を細め答えた名前に頷き返す。
「ハッキリ言いまして、私としても彼の行動がどういったことなのかが理解出来ません。シンクの生い立ちの関係上ここでいきなり善意による呵責から逃げ出したという可能性はかなり少ないと思いますし、臆病風に吹かれたからというのもまず有り得ないでしょう」
「それには俺も同意する。こちらの俺の記憶の中にあるシンクは戦いに対して臆した様子などなかったからな。となるとヴァンからの何らかの指示があったか、シンク自身に何かがあったかくらいしか思い付かんな・・・」
「かといってシンクが何かトラブルで戦線離脱なんて考えにくいからな・・・本当に分かんないよな・・・」
そうして三人ともいかにシンクの考えが読めないのか・・・各々が何とも言えない発言しか出来ないと表情を曇らせるしかなかった。それほどらしくない行動を取っていることからどうとも予想がつかないと。









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