見えてくる未来の分かれ道

・・・だがそうしてアリエッタとディストの捕縛が進んで万全の体勢となって辺りを見渡しても、シンクが襲ってくるような様子はなかった。






「・・・なぁ。本当にお前らシンクと一緒にここに来たのかよ?」
「ほ、本当に一緒に来たです!」
「確かにこうも動きが無いのはシンクにしては不自然ですが、しばらく前までは確かにいましたよ・・・それは間違いありません・・・」
・・・そうしてルークは拘束されて動きようがない二人に問い掛けを向けるが、ディストはまだダメージがあるからかテンションこそ低いが共に間違いないと言い切ってくる。
「・・・確かにシンクの事は気になりますが、一先ず先に進みましょう。勿論ちゃんと警戒しつつではありますが、ここで止まっていては話になりませんからね」
「こいつらはどうする?」
「・・・このまま連れていきましょう。ケテルブルクに何人か分けて連れていってもらうのもよいかと思いましたが、そこを狙われてしまえば元も子もありませんから我々が警戒を担当する形でまとまって行動していくのが妥当かと」
「そうですね・・・我々は二人が良からぬ行動をしないように見張りながら行動をしますので、よろしくお願いいたします」
ジェイドは気にしすぎも良くないからと言うがルークが二人に視線を向けながらどうするかを問い返すと、少しの間の後に安全策として連れていくべきと返したことにフリングスも同意と共に頭を下げた。


















・・・そうして二人を連れていく形でルーク達は先に進み、ダアト式封呪の扉を開いてセフィロトの中を進み・・・操作盤の操作を終えた。



「・・・何?あれは・・・」
「・・・どうやらはめられたようですね、あの表示を見る限りでは・・・」
・・・そうして操作を終えた時に出てきた以前と同じ仕掛けの表示が出てきたことに、アッシュもジェイドも落ち着いたようながらも初見のようなリアクションを浮かばせる。
「・・・はめられたって、どういうこと、ですか・・・?」
「簡単に言うなら我々が貴殿方に勝った上でここに来てさっきの操作をしたなら、恐らく謡将がいるであろうアブソーブゲート以外の外殻大地を全て強制的に切り離すようにしてきたんですよ。まぁ貴女に説明したなら今浮いている外殻大地がどうなるかもそうですが、何より貴殿方が負ける可能性までもを組み込んで動いていたのだということを明らかにしてしまうから黙っていたんでしょうね」
「そんな・・・謡将が・・・」
だが一人理解出来てないといったアリエッタにジェイドがどういうことかを説明していくと、ショックを隠しきれていないといった様子を浮かばせた。特に勝つと全幅の信頼を向けられていなかったのだろうという、事実を前にして。
「・・・と言うことは、兄さんはアブソーブゲートにいるのね・・・!」
だがここで先程までの静けさに陰気臭さが嘘みたいに顔を輝かせたのはティアで、希望を見出だせたと言わんばかりの様子を見せる。
「・・・確かにあの表示を見る限りではアブソーブゲートにいるかもしれんが、俺達の裏をかいてもう一つの残りのセフィロトであるラジエイトゲートの方に行っている可能性はないとは言えん。ここで操作盤を操作してあの表示が出たことから分かるようアブソーブゲートに行ったのにそこにはおらず、操作盤を操作したら実はラジエイトゲートにいて取り返しのつかないことになった・・・なんて事態になる可能性もな」
「・・・それは・・・」
「その辺りに関しては一度ケテルブルクに行ってから話をするぞ。ここに留まっていても何にもならんだろうし、二人の事をどうにかするという意味でもケテルブルクに行くのは必要だ」
「・・・分かったわ・・・」
しかしアッシュが先走りをし過ぎだと言った上でケテルブルクにまずはと言うと、ティアも不服そうながらも頷くしかなかった。水を差されつつも決してそこが正解だと確定していないという状況だと言われた為に。









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